慶応大他、記憶・学習時に伴うシナプス再編を担う分子機構を解明

2019年5月19日

神経活動に応じたシナプスのスクラップ&ビルド

慶應義塾大学医学部の柚﨑通介教授、聖マリアンナ医科大学の井端啓二助教、幸田和久教授らは、シナプスを新しく作り出す働きを持つタンパク質「Cbln1」が、神経活動に応じて神経細胞のライソソーム(※)から分泌されることを、マウスを用いた実験により明らかにしました。

ライソソームは、タンパク質を分解する酵素をもつ細胞内小器官であり、不要となった細胞内タンパク質の分解を担います。今回の研究により「Cbln1」は神経細胞の軸索にあるライソソームに存在することがわかりました。また神経活動が亢進すると、軸索からライソソームの内容物(タンパク質分解酵素とCbln1)が細胞外に分泌されることが初めてわかりました。

これらの実験結果から、タンパク質分解酵素による細胞外環境の破壊(スクラップ)と 「Cbln1」によるシナプス形成(ビルド)が、協調して働くことによって、神経活動に応じたシナプスの再編が起きる可能性が示唆されます。シナプス再編は記憶・学習の実体であり、その障害は多くの精神疾患や神経発達症で報告されています。本研究の成果は正常発達機構やこれらの病態の理解と新しい治療法の開発につながることが期待されます。

研究成果は、2019 年 5 月 6 日(米国東部時間)に米国科学雑誌『Neuron』にオンライン速報版で公開されました。

(画像はイメージです)

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慶応大学他、記憶・学習時に伴うシナプス再編を担う分子機構を解明-神経活動に応じたシナプスのスクラップ&ビルド-


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