理化学研究所、アミロイド構造の多様性の原因解明

2018年4月2日

モノマー構造の揺らぎがアミロイドの構造を決定

理化学研究所脳科学総合研究センター、タンパク質構造疾患研究チームの大橋祐美子研究員(当時)、田中元雅チームリーダーらの国際共同研究グループは、アルツハイマー病の原因といわれるアミロイド生成の仕組みを明らかにしました。

アミロイドはアルツハイマー病やプリオン病などの神経変性疾患に関与するとされていますが、タンパク質が多様な構造のアミロイドを生成する分子機構は、十分に解明されていませんでした。

研究グループは、溶液核磁気共鳴(NMR)法などを用いて、酵母プリオンタンパク質「Sup35」の構造解析および酵母を用いた細胞表現型の解析を行いました。その結果、天然変性である酵母プリオンタンパク質のモノマ-における「揺らぎ」や「局所構造」が、アミロイドの構造に大きな影響を与えることを発見しました。

アミロイド生成が関与するとされるアルツハイマー病などの神経変性疾患の多くは、治療法が確立されておらず、本研究成果が新たな薬剤開発に繋がることが期待されます。なお、研究成果は、米国の科学雑誌『Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America』(3月6日号)に掲載されました。

(文中画像はプレスリリースより)

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理化学研究所、アミロイド構造の多様性の原因解明-モノマー構造の揺らぎがアミロイドの構造を決定-


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