東大ら、前頭側頭型認知症の関連遺伝子グラニュリンの新機能解明

2018年2月22日

前頭側頭型認知症の病態解明に繋がる発見

東京大学大学院医学系研究科、機能生物学専攻神経生理学分野の上阪直史助教、狩野方伸教授らの研究グループは、発達期の小脳において、前頭側頭型認知症の関連遺伝子グラニュリンがシナプス刈り込みを調節することを発見しました。

「シナプス刈り込み」は、生後間もない脳においてシナプスがいったん過剰に形成された後,環境や経験により必要なシナプスは強められて残り、不要なシナプスは除去される現象であり、その仕組は完全には理解されていませんでした。

研究グループは発達期のマウスを用いて、プログラニュリン分子が特定のシナプスを強くするとともに、不要なシナプスの除去を遅らせることを明らかにしました。グラニュリン遺伝子の変異は認知症の一種である前頭側頭型認知症で見られ、また血中内でのプログラニュリン濃度の減少がヒト自閉スペクトラム症で見られることから、それらの病態解明につながることが期待されます。

本研究成果は、Neuron誌のウェブサイトに掲載されました。

▼外部リンク
東大など、発達期のシナプス刈り込みを調節する分子を発見~前頭側頭型認知症の関連遺伝子グラニュリンの新たな機能の解明~


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