同志社大学、世界初、脳タンパク質の脳内分布を一挙に可視化

2017年10月29日

正常脳からAD脳へと移行する脳病理の謎を解く鍵

同志社大学生命医科学部の池川雅哉教授らのグループは、イメージングマススペクトロメトリー(IMS: Imaging Mass Spectrometry)法を応用し、老人斑の原因であるアミロイドベータ群を含む脳タンパク質の脳内分布を一挙に可視化することに成功しました。

2025年問題ともいわれる高齢化社会を間近にひかえ、認知症は国民的課題となっています。中でも主な原因となっている、アルツハイマー病脳において、近年、発展のめざましい質量分析法と組織病理学研究を統合したIMS法を応用し、正常脳とアルツハイマー病脳を研究、ブルカー・ダルトニクス社との共同研究開発により、ヒト脳におけるアミロイドベータ群の産生から排出に関わる脳内での挙動をとらえました。

正常脳からAD脳へと移行する脳病理の謎を解く鍵を得たものと考えられ、今後は、「本研究で可能となったIMS法を用いてAD脳の治療や超早期の診断に役立つようなバイオマーカーの探索から予防法への研究、さらに脳疾患全般の病理学研究、とくにタウタンパク質脳病理を理解するための研究を視野に入れて研究開発を継続してゆく予定」としています。

本研究は、「文部科学省 新学術領域研究」および「日本医療研究開発機構 脳科学研究戦略推進プログラム」の助成を受けて実施され、成果は、「Acta Neuropathologica Communications」に2017年10月16日(月)に掲載されました。

(文頭画像は同大HPより、文中画像はプレスリリースより)

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同志社大学、アルツハイマー病脳に蓄積するアミロイドベータの網羅的解析をイメージングマススペクトロメトリー法を用い世界で初めて成功


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