認知症の人に対する預貯金・財産管理の実態が明らかに

2017年6月9日

成年後見制度の利用者はわずか6.4%

みずほ情報総研株式会社が、「認知症の人に対する家族等による預貯金・財産の管理支援に関する調査」を実施しました。

調査からは、認知症の人の預貯金・財産の管理の社会的支援である成年後見制度が知られているにも関わらず、利用する人はわずか6.4%であり、支援者のニーズと制度のあり方に温度差があることなど、実態が浮き彫りになりました。

発症前からの話し合いや、家族・親族へのサポート構築が必要

調査対象は、認知症の人に対する預貯金・財産の管理を支援したことがある40歳以上の男女2,000名。「家族・親族が預貯金・財産の管理を支援することになった理由」「預貯金・財産の管理支援の内容」「成年後見制度の利用の状況」など、7項目にわたって調査をしました。

その結果、家族・親族が預貯金・財産の管理を支援することになった理由として「ATMの操作・利用が難しくなった」が最も多く48.5%。預貯金・財産の管理の方法は「ATMによる預貯金の管理(本人の代理として実施(本人は不在))」59.8%。その内容は「50万円未満の預貯金の引き出し」76.9%が最も高くなりました。

支援者が支援をする上で最も負担に感じていたのは「本人にわかるように説明すること」で、22.5%。「本人の同意や直筆の委任状を得ること」が20.2%。預貯金・財産の管理について「本人にわかるように説明すること」に「とても負担を感じる」と回答した人の割合は、本人の考え方や希望を「ほぼ把握できている」場合の20.7%に対し、「把握できていない」場合は40.5%と約2倍に増加しており、認知症を発症する前の早い段階から、財産管理について話し合うことが必要であるとわかります。

また、成年後見制度を利用している方ははわずか6.4%で、「成年後見制度のことは知っているが利用するつもりはない」との回答が55.4%を占めていました。この背景には、成年後見制度の申請には複雑な手続きが必要であること。成年後見制度を利用しなくても不便を感じていないことなど、支援者が成年後見制度にメリットを感じられず利用を踏みとどまっているのではないかと、みずほ情報総研は分析しています。

支援に難しさを感じた際に相談できる相手がいたかとの設問では、家族・親族以外では、「ケアマネジャー・地域包括支援センター職員など介護の専門職」が35.3%。「金融機関の職員」29.8%と続き、「弁護士・司法書士など法律の専門職」は10.1%にとどまりました。その一方で「相談できる相手はいなかった」と回答する人は9.5%もおり、預貯金・財産の管理を支援している家族・親族をサポートする専門職のネットワークの構築や、円滑な支援が必要であることが考えられます。

認知症高齢者は年々増加し、2025年には約700万人に増加すると推計される中、家族・親族への負担を軽くするために、とくに成年後見制度を支援者の視点を踏まえた利用促進策の検討や、本人の判断能力があるうちに契約を結んでおく任意後見制度等の推進が求められていると、みずほ情報総研は報告しています。

そのほか調査結果の詳細は、外部リンク「みずほ情報総研ニュースリリース」よりご覧いただけます。

▼外部リンク
みずほ情報総研ニュースリリース


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