レビー小体型認知症のパーキンソニズムに対し有効性
パーキンソン病治療剤「トレリーフ」に効果・効能
大日本住友製薬株式会社が、同社のパーキンソン病治療剤「トレリーフ ®」(一般名:ゾニサミド)に、パーキンソニズムを伴うレビー小体型認知症患者に対するフェーズ3試験において効能・効果が認められたことを発表しました。
アルツハイマー型の次に多い、レビー小体型認知症
レビー小体型認知症は、変性性認知症の中ではアルツハイマー型認知症に次いで多いとされています。患者は男性の方が多く、女性の約2倍です。
主な症状は、1.進行性で変動する認知機能の低下、2.具体的な内容のある幻視、3.パーキンソニズムの3つ。パーキンソニズムとは、手が震える、動作が遅くなる、筋肉がこわばる、身体のバランスをとることが難しくなるなど、パーキンソン病に似た症状が出ることを指します。
今年度、効果・効能を追加する申請へ
今回のフェーズ3試験は、パーキンソン病治療剤であるトレリーフがレビー小体型認知症患者のパーキンソンニズムに対し有効であるか、安全かどうかが検討されました。試験の対象は、パーキンソニズムを伴うレビー小体型認知症患者351名。日本で多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検比較試験で行われました。
対象患者のうち117名をトレリーフ25mg/日投与群、114名をトレリーフ50mg /日投与群、120名をプラセボ投与群とし、12週間投与したときのトレリーフの有効性および安全性を検討。その結果、トレリーフを投与した患者(25mg、50mg両投与群)はプラセボ投与群に対し、有意な改善を示しました。
また、トレリーフ投与群での主な有害事象は、これまでのトレリーフの臨床試験と一致。有害事象の発現割合は、25mg/日投与群で48.7%。50mg/日投与群で54.5%と、発現割合が47.1%のプラセボ投与群よりも、50mg/日投与群ではやや高い割合で発現しましたが、重篤な有害事象の発現割合は投与群間で大きな違いはありませんでした。
同社はこの試験結果に基づき、2017年度に日本においてトレリーフのレビー小体型認知症に伴うパーキンソニズムの効能・効果を追加する一部変更承認申請を行う予定です。
▼外部リンク大日本住友製薬株式会社
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