米メルク社、アルツハイマー型認知症が対象の「verubecestat」臨床試験を中止

2017年3月3日

有効性の欠如により中止

MSD株式会社は、2月20日、米メルク社が実施していた「verubecestat」の臨床試験のうち、EPOCH試験が有効性の欠如により中止されたと発表。

この発表は、米メルク社が2月14日に発表した英文リリースを翻訳したもの。同試験は、軽度および中等度のアルツハイマー型認知症(AD)患者を対象として実施されました。

外部データモニタリング委員会が勧告

『verubecestat』は、米メルク社が現在開発しているアミロイド前駆体タンパク質βサイト切断酵素1低分子阻害剤。同剤の有効性および安全性を確認すべく、軽度および中等度のAD患者を対象としたEPOCH試験と、アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)を対象としたAPECS試験が、それぞれ実施されています。

EPOCH試験について外部データモニタリング委員会は、全体的なベネフィットとリスクを評価。「有効な臨床効果が認められる可能性はない」と判断し、試験の中止を勧告しました。この勧告を受け、米メルク社は同試験の中止を決定した次第です。

APECS試験は継続、被験者の登録も完了

なお外部データモニタリング委員会は、APECS試験については変更せずに継続するよう勧告。

同試験の有効性に関する主要評価項目は、治療開始後104週時点におけるClinical Dementia Rating sum of boxes(CDR-SB)スコアのベースラインからの変化量。米メルク社は、2017年2月に被験者の登録が完了したと発表しています。
(画像はMSDの公式ホームページより)


▼外部リンク
軽度および中等度のアルツハイマー型認知症患者を対象としたverubecestatの臨床試験を中止 – MSD株式会社/


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