京都府立医科大学、むし歯菌が脳卒中や認知機能の低下に関与

2017年3月2日

コラーゲン結合能を持つミュータンス菌が認知機能の低下に関与

京都府立医科大学の研究グループは2月、コラーゲン結合能を持つミュータンス菌と認知機能の低下の関係性を明らかにした、と発表しました。

研究論文は、「Oral Cnm-positive streptococcus mutans expressing collagen binding activity is a risk factor for cerebral microbleeds and cognitive impairment」(コラーゲン結合能を持つミュータンス菌(むし歯菌)が無症候性の脳内微小出血の発症と認知機能の低下に関与)です。科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。

コラーゲン結合能を持つミュータンス菌は脳卒中や認知機能の低下を招く

研究グループは、う蝕(むし歯)の主要因子の一つであるミュータンスレンサ球菌のうちCnmタンパク陽性株が、脳内微小出血の発症に関与することを明らかにしてきました。

Cnm タンパク陽性株は、血管壁のコラーゲンと結合し、血管の損傷部位に集まって血小板の止血作用を阻害する性質を持ちます。

今回、一般住民に対し、脳内微小出血の発生部位ごとの調査や認知機能に関するテスト等の横断研究を実施しました。

対象者279 人において、コラーゲン結合能を持つミュータンス菌保菌者は非保菌者に対して、前回(2015年の論文)と同様、脳内微小出血発症リスクが14.3倍と高い結果を得ました。

また、コラーゲン結合能を持つミュータンス菌保菌者群は、認知機能検査において有意なスコアの低下が見られ、自覚症状無く認知機能が低下している可能性を示しました。

口腔内環境の改善により脳卒中や認知機能の低下を予防

急性脳卒中患者などの自覚・他覚症状のある人に限らず、コラーゲン結合能を持つミュータンス菌を保有する無症候な一般住民においても、脳卒中や認知機能低下のリスクを高めていることが判明しました。

このミュータンス菌は、一般住民の4人に1人が保有している可能性があるため、口腔衛生や口腔内環境を向上させることにより、脳関連疾患の発症を減少させることが出来ます。

今後研究グループは、保菌者の脳卒中や認知機能の低下等の発症を防ぐための検討を進めていく予定です。
(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク
京都府立医科大学のプレスリリース


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