(名古屋大学)前頭側頭葉変性症(FTLD)の発症メカニズムを解明

2017年2月20日

FUSの機能不全がFTLDを引き起こす

名古屋大学大学院医学系研究科の研究グループは、RNAタンパク質FUS(fused in sarcoma)の機能不全がタウタンパク質のアイソフォームのバランス異常を通して、前頭側頭葉変性症(FTLD:frontotemporal lobar degeneration)の症状を引き起こす、ことを解明しました。

モデルマウスはFTLDに似た機能障害を発症

FTLDは、前頭葉と側頭葉の萎縮や機能低下により、人格変化や行動障害、言語障害、意味記憶障害、認知機能障害、運動障害などを引き起こす認知症の一種です。若年性認知症では、2割近くを占めていると言われています。 人格変化や社会性の喪失、時には犯罪行為を起こすこともあり、家庭や職場で社会問題化する場合もあります。

有効な治療法がなく、患者周辺の負担も大きいことから、早期発見の診断法、予防方法、治療法の確立が求められています。

研究グループは、RNAタンパク質FUSが神経細胞の核内で高分子複合体を形成し、主要な結合分子が別のRNAタンパク質SFPQ(splicing factor, proline- and glutamine-rich)であることを発見しました。しかし、疾患変異体FUSは、高分子複合体を形成することが難しく、SFPQとの結合が阻害され低下していました。

FUSとSFPQは、選択的スプライシングを通して、アルツハイマー病患者などにみられるリン酸化タウタンパク質の異常蓄積による疾患(タウオパチー)において、タウタンパク質のアイソフォームの割合を制御していました。

FUSとSFPQの機能喪失モデルマウスの実験では、タウタンパク質のアイソフォームのバランスが崩れ、どちらのマウスにもFTLDに似た機能障害が発症することが分かりました。

FTLDの早期診断や根本治療を目指す

研究により、FUSとSFPQの機能喪失が、FTLDの病態に関与している可能性が示されました。

今後研究グループは、研究結果に基づき、実際のFTLD患者について検討を進め、FTLDをはじめタウオパチーの早期診断や根本治療を目指し、展開する予定です。
(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク
名古屋大学のプレスリリース


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