コップ1杯弱の牛乳や乳製品摂取で認知機能低下抑制の可能性

2017年2月24日

牛乳や乳製品に含まれる脂肪酸で

誰もがかかる可能性のある認知症で、そのリスクを軽減する方法として、牛乳や乳製品を摂取するという方法が注目されています。

国立長寿医療研究センターNILS-LSA活用研究室の大塚礼氏の研究では、牛乳や乳製品に含まれる脂肪酸に認知機能低下を抑制する可能性があることが指摘されています。

短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸を含んでいる食材は少ない

牛乳や乳製品などに含まれている脂肪酸。脂肪酸は炭素が鎖のようにつながって構成されていますが、その鎖の長さにより、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸に分類されます。そのうちの長鎖脂肪酸は多くの油脂に含まれるものの、短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸を含む食材は多くありません。

その短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸を含んでいるのが牛乳や乳製品です。大塚氏の研究では協力者に3日間、食べた物の詳細をグラム単位で記録してもらい、60代、70代の協力者に認知機能テストを行ってもらいました。

牛乳コップ1杯弱・有塩バター9gの脂肪酸でリスク抑制

その結果、60代以上の女性において、摂取量で「穀類が増加・乳類減少」の場合に、認知機能低下の可能性に差があることが確認されました。この穀類の詳細によれば、米は認知機能との関連が薄く、麦を原料とするうどんや冷や麦が認知機能低下リスクを上昇させているとされています。

また、脂肪酸の摂取量が増えると、認知機能低下リスクを抑制し、中でも牛乳や乳製品に含まれている短鎖脂肪酸と中鎖脂肪酸摂取が認知機能低下リスク軽減につながることがわかりました。

摂取量でいえば、1日あたり牛乳コップ1杯弱に含まれる量の短鎖脂肪酸を、有塩バター9gに含まれる量の中鎖脂肪酸をそれぞれ摂ることで、認知機能低下の抑制に期待できるということになります。
(画像は一般社団法人Jミルクのサイトより)


▼外部リンク
牛乳・乳製品に特徴的に含まれる「短鎖脂肪酸」「中鎖脂肪酸」と認知機能との関連


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