蓄積した物質除去でアルツハイマーの回復可能性を実証
2017年2月16日
実験モデル系での初実証
東京都小平市にある国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は、アルツハイマー型認知症において、「アミロイドベータタンパク質(Aβ)」の凝集体の「Aβオリゴマー」を除去できれば回復する可能性があることを、実験モデル系で初めて実証したと発表しました。
毒性作用による異常変化は可逆的
アルツハイマー型認知症は、脳内にAβが蓄積し、その影響により、脳の認知機能などの異常が起きる病気だと考えられています。
今回の実験は培養されたラットの胎児脳由来の神経細胞を用いたもので、Aβの凝集体であるAβオリゴマーが細胞外から毒性作用をもたらしていることと、その作用による異常変化は可逆的であることが判明。この実験結果はAβオリゴマーを除去することさえできれば、この病気を治療できるという可能性を示しています。
進行を抑制するだけでなく回復の可能性も
この実験は細胞レベルのものではあるものの、現在、Aβオリゴマーの蓄積を抑制する薬剤の開発が進行中で、早期の段階で効果的な治療を行うことにより、その進行を防ぐだけでなく、認知機能の回復が望めるようになるかもしれません。
NCNPはこの研究結果を国際科学雑誌「Molecular Brain」に発表。今後、Aβオリゴマーがもたらす作用を低減する新しい薬剤の開発研究も進める予定だとしています。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
アルツハイマー型認知症の病態の回復可能性が実験モデルで明らかに
http://www.ncnp.go.jp/press/release.html?no=331
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