血流の確保が重要とされる理由!!栄養士がお伝えする、脳に必要な血液循環と血流改善レシピ

2016年6月1日 PR

この記事を読んでわかること

  • 一般的に認知症予防でよく聞かれる必要栄養素
  • 脳の活動を維持されるための血流の確保
  • 神経伝達物質であるアセチルコリンの材料になるコリンの確保

本日のレシピ ピーマンとタラコのレモンバター炒め

本日のレシピ ピーマンとタラコのレモンバター炒め

カラダにおける血流の役割と脳における血流の役割

私達は血液が体内を循環することで生きています。血液は、酸素や栄養素を体中に届ける役割を果たしています。この活動が、実は脳の活動を維持するためにとても重要であることをご存じでしょうか。

心臓から送り出された血液は肺や小腸で酸素や栄養分を取り入れ、再び心臓に戻ります。その後、腸から取り入れられた栄養分や、肺から取り入れられた酸素は、心臓から全身の各細胞へと血液に乗って運ばれていきます。

血液は、全身の各細胞と同様に脳へ栄養や酸素を供給します。脳はその活動を維持するために大量の血液を必要としていて、心臓から運び出される血液量の20%が脳への血流だと言われています。そのため、血液の供給がなくなると数分以内にその機能を停止してしまいます。血液循環によって脳に酸素や栄養を供給することは、人間の生命維持に不可欠なのです。

血流が悪くなることで発生する機能障害

前述のとおり脳は、他の臓器の数倍のエネルギーと酸素を必要とするため、脳への血流が低下すると、脳の働きが衰えてしまいます。一般的に、老化が進むと血管の硬化やコレステロールなどの付着がおこり、血管の内径が狭くなることで、血流が悪くなります。脳の機能を低下させないためには、スムーズな血流を確保することが重要になってくるのです。

栄養士が教える血流の確保に有効な方法

では、血流を低下させないためにはどのような方法が有効でしょうか。一例として、「たくさん噛むこと」があげられます。ガムを噛むことが脳疲労や認知力の向上に役立つといわれる理由は、噛むという行為により脳への血流が良くなり、酸素供給量、栄養供給量が増加するためです。食材を大きめに切ったり、あたりめ、うるめいわし、たくあん、ナッツ類、根菜類等の固い食材を良く噛んで食べるのもおすすめです。

また血液がドロドロすると血流が低下してしまうため、血液をサラサラにすることも重要です。血液ドロドロの原因は、糖分・脂肪分・アルコールなどの過剰摂取による血小板の凝集、赤血球の連鎖(赤血球が凝集し固まりになること)、水分不足などがあります。食事内容や水分補給に気を配り、血液をサラサラに保つことで、血流を確保することができます。

血流を維持するためには、運動などによって筋肉を維持することも重要です。なぜならば、筋肉は血流を補助する働きがあるからです。

また、ビタミンEなどの栄養素で血流を維持することも大切です。ビタミンEは、血行促進の働きがあるビタミンで、老化の原因と言われている酸化防止にも有効であることが分かっています。

ビタミンEを取り入れたイチオシレシピ

ビタミンEはアンコウの肝、すじこ、いくら、鰯、たらこ、うなぎ、モロヘイヤ、かぼちゃ、アーモンド、大根の葉、落花生、アボカド、赤ピーマンなどに多く含まれています。

一般的には、鰯、たらこや大根の葉、かぼちゃ、赤ピーマンなどが取り入れやすい食材ですが、これらビタミンEを多く含む食品に、ビタミンEの抗酸化作用を再活性させるビタミンCをプラスすることでビタミンEを効率よく作用させることができます。ビタミンEとビタミンCの二つのビタミンを補給することができるレシピをご紹介します。

本日のレシピ

ピーマンとタラコのレモンバター炒め

●調理時間:約10分
●材料(2人分)

ピーマン 5個(200g)
たらこ 1腹(90g)
バター 10g
レモン汁 大さじ1(10g)
塩 少々
こしょう 少々

作り方
  • 1

    ピーマンはヘタと種を取り除いて5mm幅に千切りにする

  • 2

    たらこは薄皮に切れ目をいれ中身をこそげ出す

  • 3

    フライパンにバター半量を加え、中火にかけ、バターが溶け始めたら、ピーマンを加え炒める

  • 4

    ピーマンがしんなりしたら、たらこを加え炒め和える

  • 5

    たらこに火が通り、パラパラになったら最後にバター半量、レモン汁、塩、こしょうを加えて味をととのえ、出来上がり

この記事の執筆者


管理栄養士
穴山 幸
経歴
  • 女子栄養大学を卒業後、120人以上のダイエットサポート、約5000人のダイエットコンテスト審査員などを経て、分子栄養学に出会う。
  • NPO法人がんコントロール協会 理事 として、癌、難病の方への代替療法、統合療法に携わり、2012年株式会社アミカウエルを立ち上げ独立。
  • 現在オーソモレユラー療法(分子整合栄養医学)の分野で活躍。
保有資格
  • 管理栄養士

併せて取りたい糖と大豆(コリン)

脳のエネルギー源として優先的に使われるのはご存知の通り、糖質です。脳が糖質をエネルギー源としてうまく利用できなくなることで、エネルギー不足の状態となり、認知機能が低下するとも言われています。糖質は単に十分な量を摂取すれば良いというものではなく、その摂り方も重要です。血糖値を急上昇させるような糖質の摂り方をしてしまうと、かえって認知機能に悪影響があることが分かっています。なるべくゆっくりと血糖値を上昇させるように、食物繊維を先に食べるなどといった工夫により、血糖値の上昇が緩やかになります。

大豆に豊富に含まれているコリンは、脳内伝達物質であるアセチルコリンの前駆体です。健全な脳の活動を維持するためには、コリンが欠かせません。コリンからアセチルコリンへの変換の過程では、ビタミンB1、ビタミンB12などが関わってきます。そのため、コリンと共にこれらの栄養素を補給することも大切です。

まとめ

何か一つの栄養素だけで認知症を予防・改善することはできません。多種様々な栄養素が関わり合い、働き合って体内で作用しています。豊富な栄養素で質を高めた血液を全身へと循環させ、さらに食事だけでなく、全身体操や噛むこと、散歩や入浴などで血流を増加させることで、認知症の予防・改善につながります。

▼関連記事

【この記事を読んだ方へのおすすめ記事】

このページの
上へ戻る