アルツハイマー病の初期診断に期待 ~凝集性タンパク質の新たな計測手法を開発~
2016年1月8日
情報通信研究機構らの研究グループ
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、北海道大学、大阪大学は、12月22日、細胞内タンパク質の動きを調べる新たな計測手法を開発したと発表。
これにより、アルツハイマー病の原因となる凝集性タンパク質形成の初期段階において発症の診断ができる可能性が出てきた。
SSPDカメラの活用
研究グループは、独自に開発した検出器「超伝導ナノワイヤ単一光子:SSPD」を蛍光相関分光顕微鏡のカメラとして使うことで、「回転拡散」成分を検出することに成功。これにより、タンパク質が凝集する最初の段階において、容易にその形状の特定が可能だ。
これらの計測方法は、凝集性タンパク質を原因とするアルツハイマー病やプリオン病など神経変性疾患の初期診断には、きわめて有効な手法となる。また、今回の結果から、主に通信分野で利用されてきた「SSPDカメラ」を、医療分野で活用することも期待されている。
計測精度の向上を
今回おこなった実験では、人工的に合成したものを使用したが、今後は実際にタンパク質多量体を用いて実験をおこなっていく予定。さらに、SSPDを多ピクセル化することで不感時間を短縮、計測精度の改善をはかっていく。
この研究成果は、米国科学誌 Optics Express に、12月14日付けで掲載された。
(画像はプレスリリースより)
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▼外部リンク
国立研究開発法人情報通信研究機構 プレスリリース
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