ATR、脳の認知機能を変化させる学習法の開発に成功

2017年8月29日

脳のメンテナンスが可能になる!?

京都・大阪・奈良にまたがる京阪奈丘陵にある関西文化学術研究都市「けいはんな学研都市」において、産・学・官の連携のもとに情報通信関連分野における研究を行う、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は、脳の認知機能を変化させる、認知症ニューロフィードバック学習法の開発に成功しました。

人間の脳は、千数百億個にもなる脳細胞が互いに電気信号を発して情報をやりとりする巨大なネットワークです。電気通信の基礎科学を研究するATRは、その技術を活かし「電気回路の配線を変更することでメンテナンスを行えるように、脳回路でも同じようにメンテナンスが行えないか?」と考え、研究を進めました。

脳の新しいリハビリテーション・学習支援法の開発へ

研究の結果、脳内のある領域同士の繋がりをコントロールすることで、認知機能を変化させることができる(機能的結合ニューロフィードバック学習法)ことを明らかにしました。この研究が進めば、認知症により低下した機能の回復にも可能性が開かれ、精神疾患の治療や、脳の新しいリハビリテーション・学習支援法の開発への貢献が期待されます。

ATRでは、加齢による認知機能の低下回復や精神疾患の治療への活用を進めるため、研究を続けるとしています。さらに、より多くの人に利用しやすい学習法や装置の開発も視野に入れており、今後の研究成果が注目されます。

▼外部リンク
脳の配線を望ましい方向に変更し、認知機能を変化させるニューロフィードバック学習法の開発に成功-脳回路のメンテナンス法の開発-


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