まだら認知症とは
まだら認知症とは、脳血管性認知症の一つで、脳血管の障害の部位に応じて機能が低下する認知症です。ここではまだら認知症の症状や原因、改善策、対応についてご紹介します。
- この記事の目次
まだら認知症とは
まだら認知症とは、脳血管性認知症の一つです。脳血管の障害の部位に応じて機能が低下します。そのため、認知症とは気づかず、「調子が悪いのかな?」と感じてしまう人もいます。CTやMRIなどの画像診断を受けて、脳血管の梗塞部位がみつかり、「まだら認知症」と診断される場合があります。
脳血管性認知症についてはこちらまだら認知症の症状
まだら認知症の特徴として言われているのが、「記銘力の低下が目立つのに、判断力や専門知識はしっかりしている状態」です。アルツハイマー型認知症の場合、記銘力の低下、判断力や理解力も低下します。しかし、まだら認知症は、もの忘れの程度もアルツハイマー型認知症よりも軽く、忘れたことへの自覚があります。
症状 | まだら認知症の場合 |
---|---|
記銘力(ものを覚える能力) | 低下。忘れたことへの自覚がある。 |
遂行能力(ものごとを成し遂げる能力) | 低下 |
判断力・理解力 | 正常 |
専門知識 | 正常 |
人格 | 保たれる |
また、身体的な症状として、頭痛やめまい、耳鳴り、手足のしびれ、つまずきやすい、言葉が出にくい、ろれつが回らない、食べものや飲み物が飲み込みにくい、やる気が出ない、感情のコントロールがしにくいなどの症状がみられる場合があります。
まだら認知症への対応
脳の障害の部位によって症状が出現するため、症状の出かたや程度が人によって異なる場合があります。また、症状も日によって程度が異なるため、程度が軽くなると「あれは、疲れたんだろう」「ちょっと寝不足だったから…」「風邪気味だったかな?」と気にしなくなる人もいます。その分、認知症とは思わずに、受診のタイミングが遅れたり、気づかないうちに症状が進行する場合もあります。
「最近、何となくおかしい」「疲れているのかな?」と感じたら、かかりつけ医に受診をしましょう。
まだら認知症の予防
まだら認知症は脳血管性認知症の一つと説明しました。そのため、脳血管性認知症の予防方法と同じく、高血圧や糖尿病、動脈硬化の予防が重要です。高血圧や糖尿病により血管がダメージを受けて、硬くしなやかさがなくなります。その結果、血管が詰まりやすい、出血しやすくなります。また、喫煙や過度の飲酒も影響する要因の一つです。
その他、注意したいのが脱水です。脱水と言うと、夏の暑い季節に起こりやすいと思われるかもしれません。しかし、人間の体は常に皮膚から汗として、呼吸によって体の水分を外に排泄しています。このことを不感蒸泄と言います。特に、高齢者の場合、のどが渇きにくくなる、トイレに行くのが億劫になる、などの理由から水分を摂ることを控えてしまう場合があります。体の水分が足りなくなると、血液の粘度が高まり、脳血管障害を起こしやすくなります。脱水の予防を行うには、一度に水分を摂るのではなく、こまめに水分を摂ることが効果的と言われています。
予防方法として、1回30分程度の有酸素運動を週3回程度行う、血圧測定や体重測定を習慣にする、食生活の見直しを行う、こまめに水分摂取を心がける、年に1回は健康診断を受ける…など、日々の生活でできることから始めてみましょう。
- 【PR】治験参加者募集中!もの忘れなどのある高齢者でも、安心して使える睡眠治療薬の提供を目指して
- 11/28(木)「オンラインフレイル予防講座」防災編を開催(福岡市)
- 10/30(水)「オンラインフレイル予防講座」口腔編を開催(福岡市)
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「脳のスペックを最大化する食事」7/20発売
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「潜伏期間は20年。今なら間に合う 認知症は自分で防げる!」
- 広川慶裕医師の、認知症予防のことがよく分かる『認トレ®️ベーシック講座』開講!
- 知ると知らないじゃ大違い!民間介護保険って何?
- 酸化ストレスを減らすと認知症予防に!秘密はサプリメント
- ユッキー先生の認知症コラム第92回:あるべき姿の認知症ケア
- 認知症専門医による認知症疾患啓発イベントを開催
- ポイントは食生活にあった。認知機能維持に必要なのは・・・
- 認知症予防は40代から!摂ると差が出る栄養素とは。
- 山口先生のコラム「やさしい家族信託」第17回:Q&A 外出自粛で、認知機能の低下が心配。家族信託、遺言、後見、今できることが知りたい
- アルツハイマー型認知症とは?