認知症の簡易検査が可能に!パッチ式脳波センサの開発に成功

2016年1月20日

医脳理工・産学連携のプロジェクト

大阪大学産業科学研究所の関谷毅教授、「金沢大学こどものこころの発達研究センター」の菊知充教授らを中心とした医脳理工連携チームは、冷却シートを額に貼る感覚で簡単に使用できる「パッチ式脳波センサ」の開発に成功したと、1月7日発表した。

大阪大学COI(Center of Innovation)拠点では、国立研究開発法人科学技術振興機構のCOIプログラムの支援をうけ、潜在能力を引き出す脳マネジメントによって“スーパー日本人”をつくり出そうという医脳理工・産学連携のプロジェクトを進めている。

大型の医療機器と同等の計測精度

今回開発されたのは、手のひらサイズのパッチ式脳波センサで、大型の医療機器と同等の計測精度をもち、リアルタイムに脳の状態を可視化することができるというもの。 これまでの脳波測定では、頭部全体に複数の電極を装着しなければならなかったため負担が大きく、とくに子どもの測定は難しかった。

これに比べパッチ式脳波センサは容易に測定が可能で、より多くの脳波データを得られることから、脳と測定される人の状態の因果関係を解明する上で、さらなる進展が期待されている。センサは、厚さ6mm、重さ24gと軽く、柔軟な電極とシート型ワイヤレス計測モジュール、小型電池からなっている。

アルツハイマー型認知症患者の脳活動が計測可能に

さらに今回の研究では、脳波センサによる計測のみでアルツハイマー型認知症患者と健常者の脳活動を比較し、区別できることをつきとめた。今後は、家庭内や地域のかかりつけ医院、介護施設などで、認知症の簡易検査がおこなえる可能性がでてきた。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク
大阪大学 プレスリリース[pdf]
大阪大学COI拠点 プレスリリース

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