新規アルツハイマー型認知症治療剤、日本での国際共同第3相試験を中止

2015年10月3日

「MT-4666」

田辺三菱製薬株式会社は、9月15日、米国フォーラムファーマシューティカルズ社と共同で実施していた「MT-4666」 (国際一般名:encenicline)の、日本における国際共同第3相試験を中止したことを発表した。

「MT-4666」は、アルツハイマー型認知症患者を対象とした治療剤で、新規α7ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト作用をもつ化合物。

2014年から国際共同第3相試験開始

田辺三菱製薬は、2009年3月、フォーラムファーマシューティカルズ社の前身であるエンヴィヴォ社より、同剤の日本ほかアジア地域における研究・開発・販売・製造についての独占権を取得。

2014年から、国際共同第3相試験に主導的立場で参加し、日本での臨床試験を推進してきた。

FDAからの実施保留命令

しかし同試験において、重篤な消化器系副作用が少数例報告されたため、米国医薬食品局(FDA)は、フォーラムファーマシューティカルズ社に対し、実施保留命令(クリニカルホールド)の通達をおこなった。

田辺三菱製薬はこれをうけ、アルツハイマー型認知症治療剤「MT-4666」開発のメリット・デメリットを考慮、日本地域における国際共同第3相試験、ならびに同社が単独で実施している国内長期投与試験を中止することとした。

同社はすでに、単独実施の国内第2相試験については、全ての患者への投薬を完了している。

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▼外部リンク
田辺三菱製薬 ニュースリリース



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