アーケル・バイオマリン、Lysovetaに関する新たな研究を発表
2026年5月13日
「Lysoveta」の脳へのEPA・DHA移行
ノルウェーに本社を置く世界最大手のクリルオイル(南極オキアミ油)供給・バイオテクノロジー企業であるアーケル・バイオマリン社は、認知症患者が2050年までに約3倍に増加すると予測される中、栄養素によるアプローチに新たな知見を発表しました。 前臨床試験の結果、「Lysoveta(リゾベータ)」が脳関門を通過し、EPAおよびDHAを脳内へ移行することが示唆されました。アーケル・バイオマリンのCEOであるマッツ・ヨハンセンは次のように述べています。 「アルツハイマー病や認知症といった脳神経疾患の増加が進む中、栄養素が脳の健康維持にどのように寄与するのかを解明する研究の重要性は、これまで以上に高まっています。」 Lysoveta(リゾベータ)は、EPA・DHAおよびコリンをリゾホスファチジルコリン(LPC)結合型で含有する、脳機能向けの新規素材です。この分子構造は、血液脳関門に存在するトランスポーター:MFSD2Aを介して脳内へ取り込まれることが知られており、脳への移行を可能にすることが示唆されています。EPA・DHAの脳内取り込みの有意な増加を確認
本研究では、脳組織および脳関門において、EPAおよびDHAの有意な増加が確認されました。後発性アルツハイマー病の主要な遺伝的リスク因子とされるAPOE4遺伝子を有するマウスにおいても、同様の傾向が認められています。 APOE4保有マウスでは、総DHA量に顕著な増加は見られなかったものの、DHA関連代謝物に変化が確認され、Lysovetaリゾベータが脳内の関連経路に影響を与えた可能性が示唆されました。これは、APOE4に特徴的な脂質代謝の特性と一致する結果です。 シェルブルック大学のメラニー・プルード博士は次のように述べています。 「本研究により、Lysoveta(リゾベータ)が脳関連組織にEPAおよびDHAを届ける可能性が示されました。また、脳の健康に関する栄養研究の一環としての有用性が示唆されています。さらに、APOE4における特有の応答は、遺伝的背景に応じたアプローチの重要性を示しています。」認知症の増加という世界的課題
世界保健機関(WHO)によると、認知症患者数は2050年までに約3倍の1億5,200万人に達すると予測されています。高齢化の進行や、肥満・糖尿病といったリスク因子の増加を背景に、栄養素が脳の健康維持にどのように関与するのかを探る研究の重要性は、ますます高まっています。 Lysoveta(リゾベータ)は、アーケル・バイオマリンが開発した、リゾホスファチジルコリン(LPC)結合型EPA/DHAとして世界で初めて商業化された素材であり、2020年11月より提供しています。今回の研究は、Lysoveta(リゾベータ)に関する3つ目の研究であり、神経保護に関する知見に加え、脳組織におけるEPAおよびDHAの有意な増加が示されています。 マッツ・ヨハンセンは次のように述べています。 「研究が進むにつれて、Lysoveta(リゾベータ)が脳の健康にどのように関与するのかについての理解が深まってきています。これまでの報告からは、前向きな結果が示されています。平均寿命の延伸と世界的な高齢化の進行に伴い、脳関連疾患の患者数は今後さらに増加すると見込まれます。こうした課題に対応するためにも、引き続き研究を進めていくことが重要だと考えています。」 ※写真はプレスリリースより ▼外部リンク アーケル・バイオマリン、「Lysoveta」の脳へのEPA・DHA移行に関する新たな研究を発表おすすめ記事リンク
- 認知症は予防できます!! –認知症「予防」のための3資格-
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「脳のスペックを最大化する食事」7/20発売
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「潜伏期間は20年。今なら間に合う 認知症は自分で防げる!」
- 広川慶裕医師の、認知症予防のことがよく分かる『認トレ®️ベーシック講座』開講!
- 知ると知らないじゃ大違い!民間介護保険って何?
- 酸化ストレスを減らすと認知症予防に!秘密はサプリメント
- ユッキー先生の認知症コラム第92回:あるべき姿の認知症ケア
- 認知症専門医による認知症疾患啓発イベントを開催
- ポイントは食生活にあった。認知機能維持に必要なのは・・・
- 認知症予防は40代から!摂ると差が出る栄養素とは。
- 山口先生のコラム「やさしい家族信託」第17回:Q&A 外出自粛で、認知機能の低下が心配。家族信託、遺言、後見、今できることが知りたい
- ユッキー先生の認知症コラム:第3回 物忘れが心配、認知症を予防するには・・・(その1)

