日本初の認知症検査機器ソフトウエア「ミレボ®」、販売開始

2025年1月23日

アイトラッキング技術による新たな検査法

フューチャー株式会社(東京都品川区)が株式会社アイ・ブレインサイエンス(大阪府吹田市)との協業により開発した、日本初の「認知症の診療支援に用いる神経心理検査用プログラム」(認知症診療支援に用いる検査機器ソフトウエア)である「ミレボ®」が2025年1月14日に販売開始されました。

「ミレボ®」は、アイトラッキング(視線計測)技術を用いて行う神経心理検査用プログラムです。タブレット端末にインストールしたアプリ「ミレボ®」を用いることにより、約3分で、簡便に検査を行い、客観的な検査結果を得ることができます。画面に表示される質問に沿って被検者が正解の箇所を見つめることにより、データが自動的にスコア化され、定量的かつ検査者の知識や経験に依存せず客観的に評価することが可能になります。

フューチャー社は2020年4月、大阪大学発のベンチャーとして認知症の早期診断に向けた新技術の事業化に取り組むアイ・ブレインサイエンス社と出資・協業契約を結び、人の視線を追跡する「アイトラッキング」を用いた神経心理検査用プログラム「ミレボ®」の共同開発をスタートさせました。

「ミレボ®」は2023年10月に日本初の「認知症の診療支援に用いる神経心理検査用プログラム」として承認され、製造販売業者を株式会社アイ・ブレインサイエンス、製造業者をフューチャー株式会社として医療機器製造販売承認を取得し(承認番号:30500BZX00235000)、2025年1月14日に大塚製薬株式会社から販売開始されました。

「ミレボ®」は、臨床的に認知症と診断された被験者及びそれ以外の被験者(認知機能健常者及びMCIが疑われる被験者を含む)を対象に実施した臨床試験において、主要評価項目である「本プログラムによる検査スコアとMMSE[※1]の総合点における相関」が認められ、副次評価項目においてMMSEと比較して、検査者の負担軽減が確認されました。

2024年12月に閣議決定された「認知症施策推進基本計画(案)」では、達成すべき重点目標として、「新たな知見や技術の活用」があげられています[※2]。「ミレボ®」は、アイトラッキングという新たな技術を用いることで、神経心理検査の選択肢を広げ、認知症の早期発見の一助になることが期待されます。

製品概要

販売名:ミレボ®
一般的名称:神経心理検査用プログラム
使用目的又は効果:認知症の診療支援として、視線の情報を連続的に収集し神経心理検査に用いる。
製品内容:タスク映像における被検者のアイトラッキング(視線計測)データをアルゴリズム処理し、スコア化する。
測定時間:約3分間
保険収載情報:D285 認知機能検査その他の心理検査
 1 操作が容易なもの イ 簡易なもの 80点
製造販売業者:株式会社アイ・ブレインサイエンス
製造業者:フューチャー株式会社
販売業者:大塚製薬株式会社
*ミレボ®は医療機器であり、医療関係者専用のプログラムです。

※1:Mini Mental State Examination ミニメンタルステート検査:認知症の認知機能障害の評価尺度(参照元:一般社団法人 日本神経学会 「認知症疾患診療ガイドライン2017」)
※2:内閣府 認知症施策推進基本計画(案)

▼外部リンク
フューチャーがアイ・ブレインサイエンスとともに開発した日本初の認知症診療支援に用いる検査機器ソフトウエア、「ミレボ®」が販売開始

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