愛知発!認知症徘徊事故ゼロを目指す、インソール型GPS

2024年10月22日

地域特別養護老人ホームでの機能実証評価を実施

愛知県発のヘルステックIoT開発を行う株式会社イル(所在地:愛知県名古屋市)は、認知症による徘徊事故防止を目的としたインソール型GPSデバイスの機能実証評価を、2024年8月24日(土)より開始し、10月4日(金)から第3フェーズに移行します。このデバイスは、名古屋市の特別養護老人ホーム「平田豊生苑」協力のもと、公益財団法人名古屋産業振興公社の支援を受けて実施されています。

本デバイスは、2024年11月のクラウドファンディング開始を手始めに、2025年初頭に正式リリース予定です。今後、AIによる位置予測機能や環境給電による自動充電など、さらなる機能拡張も視野に入れ、認知症徘徊事故ゼロを目指した社会づくりに貢献していきます。

認知症徘徊による捜索願の件数が増加

厚生労働省の調査によると、2025年には認知症患者が約675万人、2040年には高齢者の3人に1人が認知症(軽度を含む)になると予測されています。認知症徘徊による捜索願の件数も増加しており、2023年には過去最多の19,039件が発生、そのうち553名が死亡、250名は2023年内の発見に至りませんでした。

認知症の中核症状には、自分の名前や年齢、住所、日時や所有物などを把握できなくなってしまう失見当識障害という症状があります。失見当識障害の症状が出てしまうと認知できないものに対して不安を覚え忌避してしまう傾向があり、普段なら持ち歩くはずのGPS機能の付いた携帯電話や、GPSグッズの入った鞄などを所持せずに出歩いてしまいます。

同社のインソール型GPSデバイスは、靴の中敷きとして装着できるため、認知症患者が従来のGPSデバイスを持ち歩かない問題に対応しています。快適な着用感を追求したデザインにより、失見当識障害による忌避を抑え、靴を履く習慣を活かして徘徊中の事故防止に貢献します。

さらに靴という性質上着用し忘れるという可能性も低く、靴を履き忘れる徘徊はその様相から通報・保護されやすく深刻化しづらい(警察へのフィールドアンケートより)傾向から、認知症徘徊による重大な事故を防止することに特化しています。

機能実証評価の状況について

本実証評価では、2024年8月24日~10月の期間で段階的に4つのフェーズに分けて実施しており、実際に「平田豊生苑」の入居者に提供し使用されています。現在、第3フェーズ(10月4日~11日予定)に向けた準備をしており、第1・第2フェーズのフィードバックを基にデバイスの改良を行っています。最終的な製品化を目指し、性能評価と調整を行う第4フェーズを10月中に実施予定です。

<機能実証評価のスケジュール>
・第1フェーズ(8月24日~8月31日・完了)
初期設計における屋内での実行性能、装着性、安全性、耐久性の確認。
・第2フェーズ(9月11日~9月18日・完了)
デバイスの小型化を目的とした部品交換と機能性の確認。
・第3フェーズ(10月4日~10月11日予定)
第1・第2フェーズのフィードバックを反映したデバイスおよびアプリケーションの改良。
・第4フェーズ(10月中予定)
最終的な製品化に向けた性能評価および調整を予定。

協業先・実証協力

株式会社カテックス 犬山工場、公益財団法人名古屋産業振興公社、特別養護老人ホーム平田豊生苑

(文頭画像はイメージ、文中画像はプレスリリースより)

▼外部リンク
愛知発!認知症徘徊事故ゼロを目指す インソール型GPSが第3フェーズに進行 株式会社イル、地域特別養護老人ホームでの機能実証評価を実施


このページの
上へ戻る