認知症高齢者への機能訓練プログラム「4DAS」開発 ~認知症観の転換を~

2015年4月24日

「4DASテキスト」冊子配布、研修会開催

兵庫県立西播磨総合リハビリテーションセンター内の認知症疾患医療センターでは、認知症高齢者に対する効果的な機能訓練として「4DAS(フォーダス)」プログラムを開発。

このほどA4判カラー冊子(84ページ)にまとめ、「4DASテキスト」としてホームページ上で公開(ダウンロードが可能)するほか、各介護保険事業所などへ配布していく。

また、介護保険事業所の職員を対象に、平成27年度「4DAS研修」(6月~7月)を開催し、広く内容の普及につとめる方針だ。詳細は、5月末頃に、同センターのホームページに掲載の予定。

自信をもった活気ある生活へ

現在、日本における65歳以上の高齢者に対する認知症の割合は、軽度認知障害(MCI)もふくめると、4人に1人が認知症あるいはその予備軍といわれている。今後加速する高齢社会にともない、認知症の割合はますます増加傾向にある。

同センターでは、認知症高齢者の生活期リハビリテーションを充実させるために、通所介護事業所などが効果的な機能訓練をおこなえるよう認知症リハビリテーションの手法を開発した。

認知症アセスメントシートによる4つの評価(認知機能障害、生活機能障害、身体機能、認知症の行動・心理)に基づき各々のプログラムを提供、機能訓練に取り組み、自信をもった活気ある生活へつなげていこうというのが目的だ。

この「認知症の評価に基づくリハビリテーションの提供」という作業療法を、「4DAS(フォーダス)」(Four-Dimensional Assessment System)と名づけた。同センターでは、これらの指標をもとに、認知症とともに生きるよりよい社会をめざしていく。

「認知症観」の転換を

認知症は特別な疾患ではなく、歳を重ねるにつれほぼ全員が遅かれ早かれ発症するものだという認識を、地域の人々がみなで共有していくことがたいせつだという。

そこから、地域での早期の気づき、助け合い、見守りのこころがうまれる。超高齢社会を目の前にした今だからこそ、1人1人の「認知症観」の転換が必要なのだろう。

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兵庫県立西播磨総合リハビリテーションセンター内 認知症疾患医療センター


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