国立長寿医療研究センターら、アルツハイマー病変検出法を検証
約2,000の血液検体を分析し、有用性を検討
国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)と株式会社島津製作所(京都市)は、豪州のアルツハイマー病コホート研究の組織であるAIBL(Australian Imaging, Biomarker & Lifestyle Flagship Study of Ageing)、京都大学、東京大学、東京都健康長寿医療センター、近畿大学と共同で確立したアルツハイマー病変検出法を用い、約2,000の血液検体の分析を開始しました。
今回の取り組みは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の長寿・障害総合研究事業 認知症研究開発事業「適時適切な医療・ケアを目指した、認知症の人等の全国的な情報登録・追跡を行う研究」(オレンジレジストリ研究)の一環として実施されます。
高齢化とともに増える認知症、特にその多くを占めるアルツハイマー病の対策は重要な課題となっています。アルツハイマー病においては、発症の20年以上前から脳内にアミロイドというタンパク質の蓄積が始まり、発症のリスクを高めると考えられます。
国際シンポジウムも開催
国立長寿医療研究センターと島津製作所が中心となって確立した手法は、わずか0.5mLの血液から脳内のアミロイド蓄積度合いを推定できます。アルツハイマー病治療薬や予防法の開発への貢献が期待されることから、精度や有用性を国際的な共同研究のなかで多角的に検証すべく、AMEDの委託研究開発の一環で、世界の研究機関から検体を収集し分析を開始しました。検体の測定は、2018年8月に本技術による受託分析事業を開始した島津製作所グループの株式会社島津テクノリサーチが行い、2019年3月末に完了する予定です。
さらに、オレンジレジストリ研究が主催し、国立長寿医療研究センターと島津製作所が共催、AMEDが協賛のもと、島津製作所本社を会場とした国際シンポジウム「International Symposium on Biomarkers for Alzheimer’s Disease」を2019年3月22日に開催予定です。アルツハイマー病のバイオマーカーやコホート研究に関連した世界の第一人者が集まり、アルツハイマー病発症リスクの検出や早期介入について、最新知見の発表や意見交換が予定されています。
(画像はイメージです)
▼外部リンク
国立長寿医療研究センターと島津製作所など、アルツハイマー病変検出法を用いて約2,000の血液検体の分析を開始
- 【PR】治験参加者募集中!もの忘れなどのある高齢者でも、安心して使える睡眠治療薬の提供を目指して
- 11/28(木)「オンラインフレイル予防講座」防災編を開催(福岡市)
- 10/30(水)「オンラインフレイル予防講座」口腔編を開催(福岡市)
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「脳のスペックを最大化する食事」7/20発売
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「潜伏期間は20年。今なら間に合う 認知症は自分で防げる!」
- 広川慶裕医師の、認知症予防のことがよく分かる『認トレ®️ベーシック講座』開講!
- 知ると知らないじゃ大違い!民間介護保険って何?
- 酸化ストレスを減らすと認知症予防に!秘密はサプリメント
- ユッキー先生の認知症コラム第92回:あるべき姿の認知症ケア
- 認知症専門医による認知症疾患啓発イベントを開催
- ポイントは食生活にあった。認知機能維持に必要なのは・・・
- 認知症予防は40代から!摂ると差が出る栄養素とは。
- 山口先生のコラム「やさしい家族信託」第17回:Q&A 外出自粛で、認知機能の低下が心配。家族信託、遺言、後見、今できることが知りたい
- 岩田淳先生インタビュー:第7回 認知症検査と治療薬開発の現状