国立長寿医療研究センターら、アルツハイマー病変検出法を検証

2019年2月14日

約2,000の血液検体を分析し、有用性を検討

国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)と株式会社島津製作所(京都市)は、豪州のアルツハイマー病コホート研究の組織であるAIBL(Australian Imaging, Biomarker & Lifestyle Flagship Study of Ageing)、京都大学、東京大学、東京都健康長寿医療センター、近畿大学と共同で確立したアルツハイマー病変検出法を用い、約2,000の血液検体の分析を開始しました。

今回の取り組みは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の長寿・障害総合研究事業 認知症研究開発事業「適時適切な医療・ケアを目指した、認知症の人等の全国的な情報登録・追跡を行う研究」(オレンジレジストリ研究)の一環として実施されます。

高齢化とともに増える認知症、特にその多くを占めるアルツハイマー病の対策は重要な課題となっています。アルツハイマー病においては、発症の20年以上前から脳内にアミロイドというタンパク質の蓄積が始まり、発症のリスクを高めると考えられます。

国際シンポジウムも開催

国立長寿医療研究センターと島津製作所が中心となって確立した手法は、わずか0.5mLの血液から脳内のアミロイド蓄積度合いを推定できます。アルツハイマー病治療薬や予防法の開発への貢献が期待されることから、精度や有用性を国際的な共同研究のなかで多角的に検証すべく、AMEDの委託研究開発の一環で、世界の研究機関から検体を収集し分析を開始しました。検体の測定は、2018年8月に本技術による受託分析事業を開始した島津製作所グループの株式会社島津テクノリサーチが行い、2019年3月末に完了する予定です。

さらに、オレンジレジストリ研究が主催し、国立長寿医療研究センターと島津製作所が共催、AMEDが協賛のもと、島津製作所本社を会場とした国際シンポジウム「International Symposium on Biomarkers for Alzheimer’s Disease」を2019年3月22日に開催予定です。アルツハイマー病のバイオマーカーやコホート研究に関連した世界の第一人者が集まり、アルツハイマー病発症リスクの検出や早期介入について、最新知見の発表や意見交換が予定されています。

(画像はイメージです)

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国立長寿医療研究センターと島津製作所など、アルツハイマー病変検出法を用いて約2,000の血液検体の分析を開始


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