東大、東京医科歯科大ら、脳内に薬剤を届けるナノマシンを開発

2017年10月31日

治療薬開発の大きな障害をクリアする基盤技術

ナノ医療イノベーションセンターの片岡一則センター長(東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)と安楽泰孝客員研究員(東京大学大学院工学系研究科特任助教)、東京医科歯科大学の横田隆徳教授、桑原宏哉特任助教らは、これまで難しかった先端医薬の血中からの脳内移行を可能にする基盤技術の開発に成功したと発表しました。

脳への薬剤送達を妨げる「血液脳関門」は、抗体や核酸医薬など、高分子物質でできている先端医薬はほとんど脳内移行できないために、アルツハイマー病などに代表される脳神経系疾患の治療薬開発の大きな障害となっています。

アルツハイマー病などの治療薬開発に展望

研究チームが開発した血液脳関門通過型ナノマシンは、外部刺激に応答して血液脳関門を通過する機能を有しており、既存の技術と比較して桁違いに高い効率で脳に集積しました。さらに、血液脳関門を通過したナノマシンは、多くの脳神経系疾患において治療標的となる神経細胞へと取り込まれることも明らかになりました。

本研究成果は、有効な治療法が確立されていないアルツハイマー病などの難治性脳神経系疾患に対する、画期的な治療薬開発へと展開されることが期待されます。

(文中画像はプレスリリースの関連資料より)

▼外部リンク
東大と東京医科歯科大とiCONMなど、グルコース濃度に応答して血中から脳内に薬剤を届けるナノマシンを開発


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