WHOと神戸大、認知症の早期発見・介入の共同研究を本格化

2017年8月21日

認知症の社会負担軽減を目指す

WHO神戸センターと神戸大学は、認知症の早期発見・介入をめざす「神戸モデル」構築をめざし、8月1日から本格的な研究を開始しました。両者はこれに先立ち、3年間の共同研究「認知症の社会負担軽減に向けた神戸プロジェクト」を行なっており、今回、この原案がWHO倫理委員会によって承認されたことにより、本格研究開始の運びとなりました。

認知症は世界規模で急増しており、厚生労働省によれば日本における患者数は450万人以上とされ、今後さらなる増加が見込まれます。そのような状況の中、本研究のテーマである早期発見・早期介入は認知症対策として注目されています。

研究のポイントと概要

研究のポイントは、以下の4つです。 〈1〉高齢者のある時点における認知機能と、将来的な介護リスクの関係性を明らかにする。
〈2〉認知機能低下を遅らせる効果的な介入方法に関するエビデンスを探索する。
〈3〉認知症の早期発見、早期介入を実現する地域モデルを提示する。
〈4〉日本国内のみならず世界に向けて政策オプションを提供する。

具体的な研究概要は以下のようになっています。

① 約8万人の70歳代の神戸市民を対象とした「基本チェックリスト」調査の解析
②「基本チェックリスト」回答者のうち認知機能低下を原因とした将来の介護リスクが高いと思われる約5000人に対する追加調査の実施と解析
③ 神戸市が今年度から開始した「フレイルチェック」参加者のうち同意が得られた方(約5,000人を想定)に対する認知機能と将来の介護リスクに関する追加調査の実施と解析
④ 神戸市が昨年度実施した「認知症予防教室」受講者のうち約100人に対する追加認知機能訓練の実施とその長期予後に関する評価など、包括的な研究を実施。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク
WHO神戸センターと神戸大学、認知症の早期発見・早期介入をめざす 「神戸モデル」構築に向けた共同研究が本格開始


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