毎日「老いてさまよう」NHK「認知症行方不明者1万人」ともに菊池寛賞受賞

2014年12月8日

認知症報道、ダブル受賞

12月5日、62回目となる菊池寛賞の贈呈式が、都内のホテルでおこなわれ、毎日新聞特別報道グループ取材班「老いてさまよう」と、NHKスペシャル「認知症行方不明者一万人 ~知られざる徘徊の実態~」が賞を受けた。

公益財団法人日本文学振興会は、去る10月8日に選考顧問会を開き、タモリさんや若田光一氏らとならぶ授賞を決定した。認知症の身元不明者というテーマを、それぞれ新聞とテレビが特集。国が実態調査に乗り出すなど、これらの報道が社会を動かすきっかけとなったことが評価された。

菊池寛賞

菊池寛賞は、文学、演劇、映画、新聞、放送、雑誌・出版などの日本文化における功績を讃える賞で、昭和27年に制定された。その年度に最も清新かつ創造的な業績をあげた人や団体に贈られる。

NHKスペシャル「認知症行方不明者1万人」では、認知症による徘徊で行方不明となっている肉親を捜し続ける家族の苦しみや、身元を確認する仕組みの課題などについて報道。

実態調査に乗り出すきっかけに

この番組をきっかけに、身元が分からないまま7年間、群馬県の施設で暮らしていた女性が、家族との再会を果たすこととなった。個人情報という壁が、結果的に認知症の身元不明者を隠してしまっているという難しい課題が提示された。

しかし、これらの報道を機に厚生労働省が実態調査に乗り出すなど、社会を動かす報道の力をあらためて認識するものともなった。

毎日新聞の「老いてさまよう」は、今年度の新聞協会賞も受賞している。

▼外部リンク
文藝春秋「菊池賞最新情報」

【この記事を読んだ方へのおすすめ記事】

このページの
上へ戻る