大塚製薬、アバニア社買収契約締結 アルツハイマー型認知症に本格参入
4,200億円で買収
大塚製薬株式会社は、12月2日、米国バイオベンチャー企業のアバニアファーマシューティカルズ(アバニア社)と、子会社大塚アメリカ を通じて合併、アバニア社を約4,200億円で買収することで合意した。
中枢神経疾患領域に強いアバニア社
アバニア社は、中枢神経疾患領域を専門としており、世界初で唯一の情動調節障害(PBA)治療薬である「ニューデクスタ」を開発。2011年2月に米国で発売を開始し、順調に売り上げを伸ばしている。
同社はまた、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病など神経系の分野の開発もおこなっている。アルツハイマー型認知症における行動障がいの治療薬として新規に「AVP-786」の開発に取り組んでおり、現在そのフェーズ3臨床試験の準備中だ。
行動障がいの治療薬
アルツハイマー型認知症の患者の5割は、介護者に対する暴言や暴力、錯乱などの行動障がいを起こすという。これらの症状は、介護者の負担を重くするばかりでなく、本人や家族を苦しめ、介護施設への入居を困難にする要因ともなる。さらにこれらの行動障がいは、認知機能をより急速に低下させる。
アルツハイマー型認知症にともなう行動障がいには、現在有効で安全な治療薬がないため、アバニア社が進める後期開発品「AVP-786」への期待は大きい。
アルツハイマー型認知症への取り組み
大塚製薬は今回の買収により、神経疾患治療薬「ニューデクスタ」の市場に参入するばかりでなく、アルツハイマー型認知症の行動障がい治療を目的とした「AVP-786」をも傘下におくこととなる。
大塚製薬が強みとする「精神疾患領域」に、アバニア社の「神経疾患領域」の臨床開発力と市場開拓力が加わる。
大塚製薬はかねてより、アルツハイマー型認知症を重要な疾患領域ととらえており、すでに2つの化合物がフェーズ3の開発段階にある。
ここにアバニア社の開発成果が加わることで、アルツハイマー型認知症の病態進展抑制、認知力低下抑制、行動障がいなどさまざまな開発のニーズに応えていくこととなる。
▼外部リンク
大塚製薬株式会社 プレスリリース
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