ひろかわ先生の認知症予防教室取材レポート

2016年3月2日
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今回は、認知症予防(MCI)専門クリニックである、京都宇治のひろかわクリニックで定期的に開催されている認知症予防トレーニング「認トレ教室」を取材させてもらいました。

~認トレ教室とは~
認知症・MCIの早期発見・早期治療に精力的に取り組まれているひろかわクリニック院長の広川慶裕先生が監修している認知症予防教室です。
知的トレーニング、運動トレーニング、生活トレーニング、食事トレーニングの4つの分野から包括的に認知症を予防するプログラムとなっており、これまでの累計参加人数は950名にのぼります。

先日行われた大阪での出張開催も大盛況を収め、徐々にファンを増やし続けている認トレ教室。3月27日には初の東京開催も決定しました。

全国展開を目前に控えた認トレ教室を認知症ねっと編集部が実際に体験させてもらい、その秘密に迫りました。

笑いながら脳に汗をかく2時間

認知症予防には、脳の神経回路の活性化が重要と言われています。
脳を活性化させる方法は、直接的に脳に刺激を与える、いわゆる「脳トレ」の他、身体を動かしたり、2つの動作を同時に行う「デュアルタスク」などがあります。
認トレ教室では、インストラクターと一緒に、これらの脳を活性化させる活動を2時間かけて行います。
※「認トレ」は、この教室の他に先生が個別に日々の生活習慣や食生活の指導を行う包括的な認知症予防プログラムとなっています。

1回の予防教室で行うプログラムは、身体を使うものや、頭を使うものなど多岐にわたっており、認知症ねっと編集部が参加した回では、合計15個ものプログラムを行いました。

※かなり難易度の高いものも含まれており、参加した編集部員も、難しいプログラムはついていくことができませんでした。

しかし、「難しくて大変…」というものではなく、むしろインストラクターを中心にみんなで頭に汗をかきながら精一杯取り組み、難しい動作では「お互いができないことをみんなで笑いあう」といった、あたたかい雰囲気の2時間でした。

それぞれの運動プログラムは、最初はインストラクターが創りだすゆったりしたペースに併せて、簡単な動きを真似しながら、慣れてきたころに動きの速度を上げたり、複雑にしていくことで難易度を上げるようになっています。

~ワンポイント~
認トレでは、集団で行うことを推奨しています。
他者と一緒に行うことで、会話や、表情や仕草などの非言語コミュニケーションで常に脳を活発に使うことになります。 会話がなくても、誰かと一緒にいて相手の存在を感じるだけでも神経分野はおおいに刺激されるそうです。
例えば、プログラムの中で、みんなと違った動作をしてしまい、恥ずかしくなって隣の方と顔を見合わせて笑いあう場面がありました。 広川先生によると、この「恥ずかしい」という感覚や「顔を見合わせて笑う」という他者がいてこその刺激がとても大切とのことでした。

特別なことではなく、生活の中に取り入れやすいことが重要

認トレ教室に参加して最も印象に残っていることは、特別な器具や特別な動きではなく、普段の生活でも取り入れやすいことを大切にしている点です。「トレーニング」という名称だと、つい辛いリハビリなどをイメージしがちですが、認トレは「日常生活で何気なく行っている事柄に対し、ほんのすこし意識付けしたり動機付けするだけで効果がある」ということを念頭に、誰でも実行可能なノウハウにまで落とし込まれています。

※一方で、一つのプログラムに緩急をつけることで簡単にはクリアできない「やりごたえ」をもたらしている点が、長期的なモチベーションを持続させており、認トレの魅力の一つであると感じました。

~ワンポイント~
認トレのプログラムは、普段の生活の中で取り入れやすいものが多く、習慣化しやすいものとなっている。

以上、認知症ねっと編集部による認トレ教室の取材レポートでした。

認知症予防を目的とした身体トレーニング、知的トレーニングは多く存在しますが、認トレでは生活習慣や食事習慣までも含めた認知症予防の包括的なプログラムとなっています。

実際に参加してみて、「インストラクターの創りだす楽しい空気」や、「集団で行うことの効用」など、持続したくなる工夫や仕掛けが随所に散りばめらた、とてもよくできた認知症の予防プログラムだと感じました。

次回の記事では、認トレに参加したMCIの方々の状態が、実際にどのように変化していくかをお伝えしていきたい思います。
(認知症ねっと編集部)

認トレ教室(東京開催)の詳細はコチラ

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