血液検査でMCIを80%判別。 バイオマーカーとなるタンパク質が明らかに

2015年7月3日

シークエスタータンパク質

筑波大学医学医療系の内田和彦准教授ら研究グループは、6月26日、脳内でアミロイドベータペプチドを排除し毒性防御の働きをするシークエスタータンパク質が、認知機能低下のマーカーになることを明らかにしたと発表。

プレクリニカル期におけるアミロイドベータペプチドの沈着

認知症を減らすには、早い段階で治療を始めることが重要となる。認知症の予備群を軽度認知障害(MCI)といい、さらにそれ以前に、プレクリニカル期という臨床症状がなく認知機能にも異常は認められない時期があると考えられる。

現在、アルツハイマー病が発症する20年ほど前から脳内にはアミロイドベータペプチドが蓄積し始め、それが病気を引き起こす要因の一つであるといわれている。

約80%の精度で識別可能

今回の研究では、アミロイドベータペプチドを脳内から排除し結合して毒性を弱めるタンパク質の血液中の量を調べることが、病気の発症を早期発見する上で有用であることがわかった。

同研究グループは、シークエスタータンパク質の血液中における変化に着目。補体タンパク質、アポリポタンパク質、トランスサイレチンという3つの血清タンパク質を組み合わせた解析(マルチマーカーによる回帰分析)によって、認知機能が健常であるかMCIであるかを、約80%の精度で識別することに成功した。

また独立したコホート研究において、その再現性も確認した。今後は、さらに長期的なコホート研究によって検査の精度を上げ、バイオマーカーによる認知症予備群の早期発見をめざし、認知症発症予防につながることが期待されている。

(画像はプレスリリースより)

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▼外部リンク
筑波大学 プレスリリース

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