そーせいグループ、認知症の経口投与治療薬の治験が良好な結果で終了と発表
ムスカリンM1受容体作動薬「HTL9936」
そーせいグループ株式会社は、子会社である Heptares Therapeutics (ヘプタレス・セラピューティクス社)が開発中の選択的ムスカリンM1受容体作動薬「HTL9936」について、前期第1相臨床試験が良好な結果で終了したことを、6月17日に発表した。
製薬会社は、長年M1受容体の作用が認知機能障害の治療に有効であることを証明するための研究をおこなってきたが、どれも良好な結果が得られていなかった。ヘプタレス社は、世界で初めて作動薬に適したM1受容体のX線結晶構造を解明し、M1受容体作動薬の有力な開発候補品を創薬することに成功した。
前期第1相臨床試験を実施
今回、前期第1相臨床試験が、84名の健常である人を対象に実施され、安全性、忍容性、薬物動態、ならびに脳活動の活性化の検証をおこなった。
その結果、「HTL9936」投与後の脳波検査によって脳活動の活性化の兆候が確認され、他の認知機能改善治療薬と同様の作用が見られた。また、脳活動を活性化する臨床用量においても良好な忍容性を示し、有害事象は認められなかった。さらに脳脊髄液中の「HTL9936」の濃度測定でも、脳への良好な送達が示され、有害事象の発生も認められなかった。
同試験によって、非臨床試験では確認されていた選択的 M1受容体作動薬が、健常である人においても確認されたこととなる。ヘプタレス社は、患者を対象としたPoC臨床プログラムを準備中で、2017年末までに終了する予定だ。
さらに有効性と安全性の検証を
ヘプタレス社のチーフ・メディカル・オフィサーのティム・タスカー氏は、「HTL9936」 は、アルツハイマー病や認知症など重篤な神経疾患を患っている患者の記憶力や思考能力を改善することを目的として開発された、世界初の経口投与治療薬だと述べ、さらに研究開発に力をそそぎ、「HTL9936」の有効性と安全性を検証していくと語っている。
▼認知症関連おすすめ書籍
▼認知症ねっと おすすめサービス
▼外部リンク
そーせいグループ株式会社 プレスリリース
- 【PR】治験参加者募集中!もの忘れなどのある高齢者でも、安心して使える睡眠治療薬の提供を目指して
- 11/28(木)「オンラインフレイル予防講座」防災編を開催(福岡市)
- 10/30(水)「オンラインフレイル予防講座」口腔編を開催(福岡市)
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「脳のスペックを最大化する食事」7/20発売
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「潜伏期間は20年。今なら間に合う 認知症は自分で防げる!」
- 広川慶裕医師の、認知症予防のことがよく分かる『認トレ®️ベーシック講座』開講!
- 知ると知らないじゃ大違い!民間介護保険って何?
- 酸化ストレスを減らすと認知症予防に!秘密はサプリメント
- ユッキー先生の認知症コラム第92回:あるべき姿の認知症ケア
- 認知症専門医による認知症疾患啓発イベントを開催
- ポイントは食生活にあった。認知機能維持に必要なのは・・・
- 認知症予防は40代から!摂ると差が出る栄養素とは。
- 山口先生のコラム「やさしい家族信託」第17回:Q&A 外出自粛で、認知機能の低下が心配。家族信託、遺言、後見、今できることが知りたい
- 【広川先生監修】5分で分かる認知機能チェック(無料)はこちら
- 認知症は予防できるの?
- 認知症の種類とその詳細はこちら