キリン・ファンケル・浜松市が香りに関する共同研究

2022年9月26日

気分・ストレス状態と嗅覚機能の関連を実証

キリンホールディングス株式会社(東京都中野区)のR&D本部キリン中央研究所、株式会社ファンケル(神奈川県横浜市)、静岡県浜松市の三者は、2020年11月から浜松市民を対象とした「嗅覚機能・自律神経活動と気分・ストレスの関連性を探索する調査研究」を実施してきました。その結果、気分状態やストレス状態が悪い人ほど嗅覚感度が低下していること、ストレス抵抗性や自律神経活動が低い人ほど、特定の香りの同定能力が低下していることがヒト試験で確認されました。

調査は2020年11月~2021年7月にかけて、浜松市在住の40歳以上75歳以下の男女317名を対象に、嗅覚閾値検査(※1)と嗅覚同定検査(※2)にて嗅覚機能の評価を行い、気分状態の質問紙や自律神経測定器を用いて気分・ストレス状態の評価を行いました。

その結果、憂うつな気分や不安な気分を抱えている人では嗅覚の感度が低いことや、ストレス抵抗性が低い人では「みかん」の香りを把握する能力が低いこと、自律神経活動が低下している(※3)人では、「メントール」の香りを把握する能力が低いことが確認されました。これらの結果から、特定の香りを用いることで、日常的な気分状態を簡易に評価できる可能性が示唆されました。

※1 嗅覚の感度を調べる検査で一般的にn-ブタノール、2-フェニルエタノールの香りが用いられる。 本調査ではn-ブタノールで統計的に有意な結果を得た。
※2 何の香りかを分かる力を調べる検査で、今回の試験では12種類の香りの同定能力を評価した。
※3 自律神経活動の指標の1つであるCVRR(coefficient of variation of the RR interval, 交感神経と副交感神経の両機能を反映する指標)で統計的に有意な結果を得た。

香りで健康課題を解決する商品開発も目指す

本研究は、キリン・ファンケル共同のヒト試験で初の成果として、2022年8月22日(月)〜8月24日(水)に開催された「2022年度 日本味と匂学会 第56回大会」で発表されました。
今後は、キリンとファンケルが連携して本調査でのエビデンスを活用し、気分・ストレス状態を簡便に可視化できる判定サービスや、健康課題を解決するサプリメントなどの商品開発を目指します。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク
キリンHDプレスリリース


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