20年後、認知症患者は減るが、格差拡大・フレイル合併で介護費増
2022年5月13日
東大大学院らの研究グループが発表
東京大学大学院医学系研究科の笠島めぐみ特任研究員と橋本英樹教授は、同大生産技術研究所、高齢社会総合研究機構、未来ビジョン研究センター及びスタンフォード大学との共同研究の結果、60歳以上の認知症とフレイル(虚弱)の有病率と医療介護費について2043年までの将来推計を明らかにしました。
研究結果のポイントは次の通りです。
「20年後の日本では人口高齢化にもかかわらず認知症患者の総数は減る。」(世界初の予測)
「認知症患者の総数は減る一方、男女格差・学歴格差が広がること、格差の影響を受ける人たちではフレイル(虚弱)を合併し、介護費総額は増える。」
研究グループは、戦後世代の高齢者の健康状態や学歴が全般的に向上していることや、年齢・性・学歴により疾病罹患状況の個人差を広がっていることを考慮し、大容量計算環境を用いた個人予測モデルを新規開発しました。
その結果、2016年では認知症患者数は510万人のところ、2043年には465万人に減ると推計されました。しかし、大卒以下の層や75歳以上女性では増加し認知症の社会格差が広がること、格差の影響を受ける層ではフレイルを合併する割合が高く濃密な介護ケアが必要になるため、介護費総額は増加することが示唆されました。
認知症の予防・治療技術の開発に加え、格差対策の必要性について科学的根拠を示すことで、高齢社会の維持可能性を高める政策立案に貢献することが期待されます。
本研究成果は、4月26日に英国科学誌「the Lancet Pubic Health」のオンライン版に掲載されました。
詳しくは下記外部リンクよりご覧下さい。
(画像はイメージです)
▼外部リンク
東大「高齢日本の20年後:認知症患者は減るが、格差拡大・フレイル合併で介護費増」
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