千葉工大大学院らのグループ、アルツハイマー病の新規の病態を発見
L-アルギニンとリモノイドが病気の進行を抑制する機構を解明
千葉工業大学大学院先進工学研究科、株式会社i-onらの研究グループは、理化学研究所脳神経科学研究センター、名古屋市立大学大学院・脳神経科学研究所が作製したヒトアルツハイマーモデルマウスを用いて、アルツハイマー病の新規の病態を発見し、病気の進行をL-アルギニンとリモノイドの投与によって抑制するメカニズムを解明しました。
研究グループは、ヒトADモデルマウスの腸内で腸内細菌叢がDysbiosis(腸内細菌叢の多様性を低下した状態)へ移行するとともに、腸内から消失した細菌が膵臓・肝臓・脳を中心とする多臓器へバクテリアルトランスロケーション(BT)してアルツハイマー病の病態が進行する様子を見出しました。
ヒトADモデルマウスへ L-アルギニンと柚子種子より抽出したリモノイドを投与すると、腸内の細菌叢の多様性が維持されて腸から膵臓へ細菌のBTが起こらず、ADは進行しない事を明らかにしました(図1)。従って、L-アルギニンと柚子種子抽出リモノイドは、ADおよび神経変性に関連する疾患の治療薬成分となることが期待されます。
柚子種子より抽出したリモノイド
柑橘類に特有に含まれるリモノイドは、抗腫瘍、抗酸化、抗炎症作用などの生理活性能を多く示します。わが国で最も古い実生(接ぎ木のない原木)の柚子の種子には、驚異的なリモノイドの産生能力があり、次の代謝が種子の中で進み、本研究では Nomiline (ノミリン)、 Deacethylnomiline (デアセチルノミリン),Obacunone (オバクノン)、Limonin (リモニン)の4種類を主成分とした混合物が柚子種子抽出リモノイドとして投与された。
なお、この研究は、スイスMDPIが発行する医学学術雑誌『Life』に2021年12月27日付けで掲載されました。
詳しくは下記外部リンクよりご覧下さい。
(文頭画像はイメージ、文中画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
アルツハイマー病の新規の病態を発見 L-アルギニンとリモノイドの投与が、病気の進行を抑制する機構を解明 ーアルツハイマー病の新しい治療薬成分として期待ー
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