認知症と生活習慣病の関係
生活習慣病が脳に与える影響
生活習慣病とは
厚生労働省によると、生活習慣病とは「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」のことと定義しています。 生活習慣病は、認知症の発症を高めると言われています。
例えば、高血圧は脳の細い動脈が詰まり脳梗塞を起こす恐れがあります。その結果、脳血管性認知症を引き起こす場合があります。
糖尿病は糖質の摂りすぎにより高血糖を引き起こします。このような高血糖の状態が続くと、血糖を下げようとするホルモンであるインスリンが十分に働かなくなります。その結果、糖尿病となります。また、余分な糖質は中性脂肪として身体に溜まり、肥満のもととなります。
そして、血糖値が高い血液はドロドロして流れが悪くなります。ドロドロの血液は、血管を傷つけて動脈硬化を起こします。動脈硬化は血管がもろくなるため、脳梗塞や脳出血を引き起こしやすくなります。
このように、様々な要因が重なり合い、認知症を引き起こします。では、どのようにして生活習慣病を改善すれば良いのでしょうか。
生活習慣を見直すためには
生活習慣を見直すことは、食事・運動を見直す、睡眠の取り方、禁煙を続ける、適量の飲酒を心がけましょう。
ここでは睡眠について説明します。
食事については「食生活を見直しましょう」、運動については「有酸素運動で認知症予防」「筋トレで認知症予防」のページで詳しく説明します。
食生活を見直しましょう 有酸素運動で認知症予防 筋トレで認知症予防より良い睡眠の取り方とは?
皆さんは、睡眠時間はどのくらい取っていますか。日頃から「何となく寝ても疲れが取れない」「慢性的な睡眠不足」という方もいらっしゃるかもしれません。睡眠は時間だけでなく、質も大切になります。
睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠という2つのサイクルが90分おきに繰り返されています。ノンレム睡眠はレム睡眠よりもより深い睡眠です。先ほどの寝ても疲れが取れない場合は、このノンレム睡眠が十分に取れていない場合が考えられます。ノンレム睡眠は、睡眠後すぐに起こるため、なかなか寝付けない人はノンレム睡眠が足りない場合があります。
では、ノンレム睡眠を十分に取るためにはどうしたら良いでしょうか。ノンレム睡眠は睡眠後すぐに起こることから、寝る準備を整えることが大切です。
まず、寝る前2時間程度は、テレビ、パソコンやスマートフォンの使用を控えましょう。明るい画面を見ると、脳が昼間と勘違いして体内時計が乱れます。合わせて、室内を暗くする、心地良い室温にする、リラックスした時間を過ごすなど静かな環境を整えましょう。夜に眠くなるのは、メラトニンというホルモンが分泌されるからです。このメラトニンは、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβが溜まるのを防ぐ働きがあります。メラトニンが十分に分泌するためにも、スムーズな眠りに入れるよう、環境を整えることが大切です。
また、体温が上がってから下がった時に眠気を感じるため、寝る1時間前に入浴するのも効果的です。ゆっくりと湯船につかりましょう。
注意したいのが、コーヒー・紅茶・緑茶などはカフェインにより眠気を覚ます働きがあります。また、夜中にトイレに行く回数が増えることから睡眠を妨げられる場合があります。
気持ちよく朝目覚めるためにはどうしたら良い?
寝る前の環境を整えること、スムーズな眠りにつくことだけでなく、すっきりと朝起きることも大切です。
身体が朝であることを認識するためには、朝起きたらカーテンや雨戸を開けて、しっかり朝日を浴びましょう。そうすると、脳が目覚めて活動し始めます。
活動と休息・睡眠のバランスを取ることが生活習慣を改善するだけでなく、健康的な生活につながります。
出典:厚生労働省“生活習慣病とは”.スマート・ライフ・プロジェクト(2019年5月14日アクセス)
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