岡山大、認知症リスクの血中ペプチドバイオマーカーを発見
2020年3月10日
少量の血液から認知症リスクが診断可能に
岡山大学大学院の阿部康二教授と株式会社プロトセラ(大阪市淀川区)は、MCI、AD 患者の血液を解析し、認知症のリスクを発見するバイオマーカーセットとして有用となる4種類のペプチドを発見しました。これにより、少量の血清(30μL)から認知症をリスク判定することが可能となりました。
今回発見された新しい血中ペプチド性バイオマーカーセットは、新規で、迅速で、非侵襲性で、定量性の高い、低コストな認知症スクリーニング法を提供するほか、これまでの血清アミロイドβや血漿タウを標的にした認知症治療薬開発の失敗に対して新しい創薬アプローチを提供する可能性があります。
研究成果は 2019年11月18日、医学誌『Journal of Alzheimer’s Disease』の電子版に掲載されました。
日本における認知症患者は年々増加しており、2025年には高齢者の5人に1人が認知症となると予測されています。これまで認知症診断には脳脊髄液(CSF)中のバイオマーカーや脳内に沈着した放射性物質の測定が有用とされてきましたが、検体採取の侵襲性が高いことなどの問題点があることから、血液試料から認知症を診断する方法が望まれています。
研究者のコメント
本研究のポイントは3点あり、1点目は網羅的血清ペプチド解析法を実施して世界で初めて認知症リスク因子を解明したこと、2点目はその発見された血清ペプチドはアミロイドやタウタンパクの断片ではなく血液凝固系や脳内炎症に関わるタンパクの断片だったこと、3点目はそれらの新しいペプチドの親タンパクがアルツハイマー病の病態に関係していることが、実際のアルツハイマー病脳でも確認されたことです。
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(画像はイメージです)
▼外部リンク
岡山大学、少量の血液から認知症リスクが診断可能に!認知症リスクの指標となる血中ペプチドバイオマーカーを発見
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