『介護助手』の存在を知っていますか?
厚生労働省より、『令和元年版労働経済の分析』¹⁾が発表となりました。その中で、介護現場の労働力不足を解消するべく、人材の確保に向けた取組みである『介護助手』について紹介されていました。
介護助手とは、どのような役割をするのでしょうか。今回は、介護助手について紹介します。
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『介護助手』とはどんな役割をするの?
高齢者の増加と労働力の不足により、介護の現場での人材不足は深刻な問題となっています。厚生労働省では、介護人材不足対策²⁾として、『業務仕分け・ロボット・ICT・元気高齢者活用の三位一体型効率化』を打ち出しました。
介護職の専門性が必要な業務とそうでない業務の切り分けを行い、介護の周辺業務を担うのが介護助手の役割です。具体的には、部屋の掃除、ベッドメイキング、食事の片付け、話し相手などが主な仕事です。
『介護助手』は誰でもなれるの?
『介護施設の働き方改革の取組』として、三重県では「元気高齢者活用モデル」事業³⁾を2015年から開始しました。地域の元気な高齢者(元気高齢者)を介護助手として育成し、介護職場への就労を支援するという事業です。
元気高齢者とは、定年を迎えたものの、住み慣れた地域でまだまだ働きたいという労働意欲が高い高齢者のことです。元気高齢者が介護助手として働くことによって、収入を得る機会を得ると共に、責任が発生します。
また、元気高齢者が働きやすい時間や条件を組み合わせます。介護助手の一人当たりの労働時間は短くても、複数の介護助手が働くことで人手が不足する時間帯やケアを必要とする人が多い時間帯に補うことができます。その結果、介護職は介護の専門的な業務に専念できます。
三重県では、介護助手が元気高齢者であってほしい理由³⁾を以下のように説明しています。
①社会貢献
直面している超高齢化社会の原因となっている元気高齢者自身がその問題解決の一助となり、介護の担い手の増加となります。
②介護予防
介護予防の効果
③将来のための知識の獲得
働きながら介護現場の実際を知ってもらい、自分自身や家族の将来のための参考にしてほしいこと、要介護高齢者の増加を減らして、保健支出の削減につながります。
このように、高齢化社会を他人ごとではなく自分ごととして取組むこと、働くことで健康の維持だけでなく介護予防につながること、そして、将来自分がどのような人生を送りたいのか考える機会につながります。
現在、介護助手を導入した取組は全国25以上の都道府県で導入されています¹⁾。
しかし、介護保険法では、介護助手は位置づけられていません。また、周辺業務は各施設によって異なりますので、募集時に確認をしましょう。
まとめ
このように、元気高齢者が自分の時間を大切にしながら就労することは社会の役に立つと共に、今後の自分の生き方にも影響を及ぼすと考えられます。一方で、介護職は介護の専門性を高めることにつながると言えます。
参考文献:1)厚生労働省.令和元年版 労働経済の分析-人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-(2019年12月23日アクセス)
2)厚生労働省老健局.介護人材対策について(2019年12月23日アクセス)
3)三重県.介護助手導入実施マニュアル(2019年12月23日アクセス)
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