認知症診断測定への応用に期待!世界初の運動学習測定システム開発【東京医科歯科大】

2015年3月27日

小脳の軽微な障害を捉えることが可能に

東京医科歯科大学は18日、同大学院の石川欽也教授らの研究グループが、理化学研究所脳科学総合研究センターと共同で、小脳運動学習を定量的に評価するシステムを開発したと発表。研究結果は、米科学誌プロスワン(オンライン版)にて公開された。

自転車に乗るなど、運動や動作を記憶し覚えることが運動学習だ。通常の記憶などは大脳が関わっているが、「体で動作を覚える」運動学習は小脳が重要な役割を担っているという。

この運動学習を簡便に測定できる装置が無かったことが研究の背景。このシステム開発により、老化や障害による運動学習の障害程度を測定することが可能となる。

小型の装置・簡単な動作で小脳運動を測定

測定する動作は、“タッチパネルを指でタッチする”という簡単なもの。その際、視線の向きをずらすゴーグルを着用し、“慣れ”による適合の度合を測定し数値化するのだという。

研究成果として、加齢による運動学習の低下度合や健常者と小脳障がい者との比較測定において、小脳の学習機能を明瞭に識別することができたと発表している。

この測定システムの開発による、認知症診断をはじめ脳の老化や治療効果に対する臨床応用への期待が大きい。従来の診察による主観的評価・判定と比べ、一律で客観的な評価・判定が可能だからだ。

脳科学研究戦略推進プログラムの一環

文部科学省は、平成20年度に「脳科学研究戦略推進プログラム」を開始。平成23年度には認知症など神経疾患の早期診断・治療・予防法の開発を目標に挙げ、現在も継続中。

(画像はプレスリリースより)

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▼外部リンク
国立大学法人 東京医科歯科大学 プレスリリース
脳科学研究戦略推進プログラム :SRPBS

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