みずほ情報総研、認知症患者の就労・社会参加の実現に関する調査

2019年6月23日

中国地方の5県、107市町村にアンケートを実施

みずほ情報総研株式会社(東京都千代田区)は、認知症と自治体・関連機関の役割に関する調査、「地域共生社会の実現に向けた若年性認知症を含む認知症の方の就労、社会参加等の支援のあり方と、市町村、県と地方厚生局、労働局との連携方策、関係機関の役割に関する調査研究事業」(平成30年度老人保健健康増進等事業)を実施し、結果を発表しました。

本調査研究事業は、認知症の人を対象に、就労、社会参加を実現していくために、現状の取組および検討課題を明らかにすることを目的に実施されました。具体的には、中国四国厚生局管内のうち、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県の協力を得て、次の調査を行いました。
(1)当事者からの意見収集
(2)若年性認知症支援コーディネーターの活動実態に関する把握
(3)自治体における就労、社会参加の支援実態、検討課題の情報収集
(4)就労、社会参加に関わる中国四国厚生局管内の先進的取組情報収集

自治体・関連機関の役割と課題を明らかに

当事者からは、就労・社会参加等を続けることの意義として、「自分自身が人と交流を保てることを実感することで自信、意欲の向上につながる」、「主体的にやりたいことを考えるための機会を得ている」、「家計を支える一助」といった意見が挙げられ、今後の課題としては、「認知症地域支援推進員による相談・支援」、「パートナーの必要性」、「就労支援の必要性:ハローワーク、障害福祉施策との連携」、「認知症であることを周囲に伝えることの意義」などが挙げられました。

中国地方(5県、107市町村)を対象とした市町村アンケート調査では、地域包括支援センター、認知症地域支援推進員は、高齢の認知症患者だけでなく、若年性認知症患者からも就労・社会参加に関する相談を受けていることが明らかになりました。

直近3年間に6割近くの市町村が、65歳未満で発症した若年性認知症患者からの相談を受け付けており、主な相談内容は就労や就労以外の社会参加に関する内容が、2割から3割程度挙げられました。

65歳以上で発症した人についても、直近3年間に就労以外の社会参加についての相談を受け付けた市町村は7割を超え、就労についても1割の市町村で受け付け経験があり、認知症の人の就労・社会参加支援へのニーズが顕在化していることが示唆されました。

この他、就労、社会参加に関わる中国四国厚生局管内の先進的事例調査も行われ、関連する取組を企画している自治体、地域包括支援センター、地域住民、民間事業所等の参考資料を提供することを目指します。

詳しい調査結果は下記外部リンクよりご覧下さい。

(画像はイメージです)

▼外部リンク
若年性認知症を含む認知症の人の就労・社会参加の実現に関する調査結果


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