エーザイ、認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害薬を開発中
「レンボレキサント」の最新データを発表
エーザイ株式会社(東京都文京区)は、不眠障害をはじめとする睡眠覚醒障害治療薬として開発中のレンボレキサントについて、軽度、中等度アルツハイマー病に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害の患者を対象とした臨床第Ⅱ相試験の最新データを発表しました。
不規則睡眠覚醒リズム障害は、24時間の間で昼夜交代に睡眠覚醒が繰り返される通常のパターンがくずれ、睡眠と覚醒がさまざまな時間帯に出現する病態で、不眠障害とは異なることが確認されています。また、認知症などの神経変性疾患と関連することが最も多いとされています。現在、不規則睡眠覚醒リズム障害を適応症とする薬剤は承認されていません。
本試験は、64歳から89歳の軽度、中等度アルツハイマーに伴う不規則睡眠覚醒リズム障害の患者62人を対象に、レンボレキサント(2.5mg、5mg、10mg、15mg)の有効性および安全性を評価するために行われました。レンボレキサントまたはプラセボを4週間投与し、投与最終週における概日リズム、夜間睡眠および日中の覚醒について、アクチグラムを用いてベースラインからの変化量を評価しました。
24時間概日リズムパターンの改善を確認
試験の結果、夜間活動性について、4投与群のうち3投与群(2.5mg、5mg、15mg)で統計学的に有意な減少が認められ、24時間概日リズムパターンの改善が確認されました。また、レンボレキサント投与群では、夜間睡眠の断片化や総睡眠時間において、プラセボ投与群と比較し、統計学的な有意差は確認されませんでしたが、改善傾向が示され、夜間睡眠の改善に寄与しました。さらに、レンボレキサント投与群はプラセボ投与群と比較し、日中のうたた寝(意図しない昼寝)の平均時間が短縮する傾向が確認されました。
試験結果について同社は、次のようにコメントしています。
「認知症患者様の睡眠覚醒パターンの改善を目的とするISWRD(不規則睡眠覚醒リズム障害)治療薬としてファースト・イン・クラス、不眠障害治療薬としてベスト・イン・クラスの薬剤を一日も早く患者様にお届けすることを目指しています。今回のISWRD患者様を対象とした202試験の結果に自信を強めており、今後、詳細な解析を進め、専門家や有識者と相談しながら、ISWRD治療薬としてのレンボレキサントの可能性を引き続き追求し、本剤を 通じた患者様貢献を目指してまいります。」
試験結果は、スペイン・バルセロナで開催されている第11回アルツハイマー病臨床試験会議(Clinical Trials on Alzheimer’s Disease: CTAD)において発表されました。
(画像はイメージです)
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エーザイ、アルツハイマー病に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害対象の「レンボレキサント」の最新データを発表
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