タンパク質「sorLA(ソーラ)」がアルツハイマー型認知症のリスク低減

2015年2月18日

アルツハイマー病の予防と治療に期待が高まる

大阪大学蛋白質研究所の高木淳一教授による研究グループは、脳内の膜タンパク質「sorLA(ソーラ)」に、アルツハイマー病の原因物質を分解する働きがあることを発見した。

同研究はドイツのマックスデルブリュック分子医学研究所と共同で実施。12日付けで米科学誌「Science Translational Medicine」に発表された。

アミロイドベータを分解する働きを持つ脳の“掃除屋”

アルツハイマー病の原因物質の一つとされる「アミロイドベータ」ペプチドは、脳内に「老人斑」と呼ばれる構造体を築き、神経細胞を死滅させるといわれる。

高木教授らはsorLAタンパク質がアミロイドベータを結合して分解する性質を持つことを発見。sorLAを人工的に増加させたマウスで実験を行ったところ、脳内のアミロイドベータ量が75%も減少する結果となったという。

脳内に存在するsorLAの働きに注目が集まる

脳内のsorLAにアミロイドベータを処理する働きがあると分かり、人間の脳にはもともと危険な物質を排除する自衛策が備わっていると判明。さらにsorLAの量を意図的に増やすことで、アルツハイマー病になるリスクの低減が期待される。

高木教授らはsorLAの研究を進めることで、神経変性疾患の発症における初期メカニズムの解明などにもつなげたいとしている。

(画像はニュースリリースより)

▼外部リンク
大阪大学Resou/アルツハイマー病から脳を守る細胞内の「掃除屋」タンパク質を発見!

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