重度のうつ病は、アルツハイマー型認知症発症のリスクが「3.59倍」との調査結果
2015年2月15日
スペインの研究グループの報告
老年精神医学の専門誌「The American Journal of Geriatric Psychiatry」の2月号において、スペインの研究グループが、「重度のうつ病はアルツハイマー病発症のリスクが3倍以上になる」という報告を掲載した。
55歳以上の3864人を追跡調査
調査は、「認知症およびうつ病に関するサラゴサ・プロジェクト」(ZRADEMP Project)の一環として実施された。
研究対象となった55歳以上の4803人のうち、認知症の症状のなかった3864人について、2.5年後と4.5年後の2度にわたって認知症発症の有無に関する追跡調査がおこなわれた。
70人がアルツハイマー病を発症
調査を開始した当初、うつ病があると診断された人は452人で、全体の11.7%。このうちの16.4%が、重度のうつ病であった。さらに追跡期間中、70人がアルツハイマー病を発症したことがわかった。
その結果、重度のうつ病であった人は、うつ病を発症していなかった人とくらべ、アルツハイマー病を発症する割合が、3.59倍もあることが明らかとなった。
このことからうつ病は、さまざまな条件を考え合わせても、アルツハイマー病のリスクを増大させるという結論がえられた。
うつ病とアルツハイマー病発症の関連性を考えると、早期のうつ病対策とその治療法の確立が望まれる。
▼外部リンク
The American Association for Geriatric Psychiatry
The American Journal of Geriatric Psychiatry
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