名古屋大学と島津製作所、「直接・迅速メタボローム解析法」の構築に成功

2017年9月7日

迅速・性格な脳内メタボライト解析が可能に

認知症を含め、様々な病気の研究に必要不可欠なアミノ酸や脂肪酸などの内因性代謝物(メタボライト)の解析手法に「メタボローム解析」というものがあります。名古屋大学および株式会社島津製作所らの研究グループは「超微細針(鍼灸針)」を用いた新規分析法を用いてマウス脳内の「直接・迅速メタボローム解析法」の構築に成功しました。

一般的に、脳は脂質類が豊富に存在し、それらの脂質類が分析時の妨害成分となることから、前処理操作が不可欠でした。しかし、本研究では、前処理操作を一切行うことなく、脳内メタボライトを直接かつ迅速に分析することに成功しました。さらに、先端直径が約700nmの超微細針(鍼灸針)を試料採取およびイオン化の機構に用いていることから、大脳皮質と海馬におけるメタボライトの局所分布の違いを捉えることにも成功しました。

本手法の確立は、疾患等の病態解析に必須のツールとなりつつあるメタボローム解析の技術発展に大きく寄与するとともに、脳内の局所解析や脳内成分のマッピング(イメージング)技術への拡張が強く期待されます。また、今後は、脳疾患や認知症などの病態解析に本手法を応用することも望まれています。

(画像はプレスリリースより)

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名古屋大学、島津製作所、「超微細針(鍼灸針)」を用いた新規分析法を用いてマウス脳内の「直接・迅速メタボローム解析法」の構築に成功


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