東田 勉 著『認知症の「真実」』~偏見と闘う介護者たち~
介護家族必読の書
11月19日、講談社より『認知症の「真実」』~偏見と闘う介護者たち~が刊行された。著者は、介護ライターの東田勉氏。講談社現代新書/定価800円(税別)。
「読書人のための月刊情報誌 本」では、「認知症は医師選びを間違えると、とんでもない悲劇が襲う。認知症高齢者462万人を介護する家族必読の衝撃作」 として紹介。「本」12月号には、著者自らの解説が掲載されている。
「認知症」の呼び名は2004年から
東田氏は、認知症という名の「病気」は存在しないと語る。「認知症」という呼び方は、2004年に、厚生労働省により「痴呆」を言い換える言葉として発表された。
認知症には、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、さらにその何れかの混合型認知症などがあるといわれている。しかし近年世界中で増加傾向にある認知症は、治療法や治療薬を含め、未解明な部分が多い。
介護者の声
著者は、「認知症は遺伝するのではないか」「発病したら数年間しか生きられない」「やがて人格崩壊の極地へと向かう」などといった世間の偏見と闘っている介護者の声を取材。認知症の人を家族に持つ介護者にスポットをあてた内容となっている。
また、認知症を病気とは考えず、ケアで落ち着かせる介護現場の取り組みを紹介。さらに認知症の薬害問題と闘う医療の専門家、介護の専門家の意見と実践も合わせて紹介している。
介護者の目線から書かれた本
認知症を予防・改善する画期的な薬の出現が切望される一方には、高齢者に対する向精神薬の過剰投与の問題がある。
認知症を介護する家族には、常に心身の負担と家族への愛情との間で引き裂かれる重い課題がある。『認知症の「真実」』は、介護ライターによって介護者の目線から書かれた本である。
東田氏の著書にはほかに、『介護のしくみ』、『新しい認知症ケア 介護編』『新しい認知症ケア 医療編』などがある。
(画像はプレスリリースより)
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