匂いで認知症の検査ができる「はからめ」を使ってみました。
匂いで認知症を早期発見、「はからめ」が発売
IT・バイオ事業を手がける株式会社グローバルエンジニアリングは、匂いで認知症の検査ができる「はからめ」を来る2014年9月に発売した。
写真のような10枚の小さなカードに、匂いを閉じ込め、その匂いを嗅ぐことで、簡単な方法で、認知症・MCIが判断できるというもの。
カードをつめ先で軽くこすると匂いが出てくるため、6つの選択肢から、最も近い匂いを選択する。
回答は、提供先である株式会社グローバルエンジニアリングに送付し、1~2週間程度で、結果シートが返ってくるそうだ。
「認知症ねっと」編集部も試してみたが、10分程度で検査は完了し、他の認知症関連の検査と比べると、ハードルが低く、気軽に取り組みやすいため、認知症・MCIの超早期発見というところで、期待がもてそうだ。
嗅覚障害がある人は健常者の4倍アルツハイマーになりやすい
「はからめ」の発売に合わせて、「はからめ」を提供するグローバル・エンジニアリング社主催で「認知症と嗅覚障害の関係性」について11月28日(金)セミナーを実施した。
昭和大学講師であり、トリノ大学医学部客員教授でもある神保 太樹氏より、「認知症と嗅覚障害の関連性について」というテーマで基調講演が行われた。
神保氏の研究によると、特にアルツハイマー型認知症と嗅覚にはかなりの相関性が見られたとのことで、嗅覚障害がある方は、通常の人よりも約4倍アルツハイマー型になりやすい、などの説明が行われた。
また、匂いはアルツハイマー病の予防・改善にも役立つと神保氏は指摘する。
アルツハイマー型認知症の原因のひとつとして、アセチルコリンの著しい減少があるということは、広く言われているが、
たとえばレモンの匂いなどを継続的に嗅ぐことで、アセチルコリンの分泌量が増えた、という実証研究の成果についても明らかにした。
これらの研究から、アルツハイマーと匂いについて着目した神保氏は「はからめ」の開発にも協力している。
今後は、「はからめ」のサンプル数を集めることで、更なる認知症テストの精度を高めていくとともに、
うつ病といった認知症以外も嗅覚との関係性が指摘される疾患についても「はからめ」のテスト対象として含めていきたい、とのこと。
なお、「はからめ」については、テレビ東京系列『ワールドビジネスサテライト』(WBS)の人気コーナー『トレンドたまご』(2014年11月26日放送)でも紹介された。
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