東邦大、アルツハイマー病と女性ホルモン、やせすぎとの関係を報告
2017年4月26日
女性のアルツハイマー病予防に一石
アルツハイマー病女性患者の脳では、女性ホルモンの代表であるエストロゲンの受容体が減少していることが判明。さらには、やせすぎがこの女性ホルモン低下と関係していることも明らかになりました。
これは、東邦大学医学部准教授の本間尚子准教授らの研究グループが解明し、雑誌『Scientific Reports』にて発表されたものです。この研究により、アルツハイマー病女性の前頭葉白質組織ではエストロゲン受容体の一つであるER-βが減少していることがわかり、やせすぎが脳内におけるエストロゲン濃度維持に不利であることもわかりました。
本間准教授らのグループは、解剖例から得られた大脳前頭葉組織についてこれらを調べたところ、アルツハイマー病の白質組織ではエストロゲン受容体βが減少しており、白質でのエストロゲン作用低下がアルツハイマー病に関係する可能性が示されました。
やせすぎに警鐘
エストロゲンは、これまでも女性の健康維持に重要な役割を果たすと考えられていましたが、研究は疫学的・実験的なものが多く、今回のようにヒトの脳組織、特に凍結組織を使った研究はとても少数でした。
エストロゲンの濃度、代謝動態、受容体の解析などについて総合的に解析したことで、初めて、前頭葉白質組織でのエストロゲン作用低下がアルツハイマー病と関係する可能性を示したものです。
また、この研究により、肥満指数であるBMI(Body Mass Index)がアルツハイマー病に関係しており、過度の痩身は脳のエストロゲン濃度維持において好ましくないことがわかりました。食生活を含めた実生活との密接な関係を示唆したことは、今後のアルツハイマー病予防に一石を投じることになりそうです。
▼外部リンク
発表内容
おすすめ記事リンク
- 【PR】治験参加者募集中!もの忘れなどのある高齢者でも、安心して使える睡眠治療薬の提供を目指して
- 11/28(木)「オンラインフレイル予防講座」防災編を開催(福岡市)
- 10/30(水)「オンラインフレイル予防講座」口腔編を開催(福岡市)
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「脳のスペックを最大化する食事」7/20発売
- 認知症予防医/広川慶裕医師の新刊「潜伏期間は20年。今なら間に合う 認知症は自分で防げる!」
- 広川慶裕医師の、認知症予防のことがよく分かる『認トレ®️ベーシック講座』開講!
- 知ると知らないじゃ大違い!民間介護保険って何?
- 酸化ストレスを減らすと認知症予防に!秘密はサプリメント
- ユッキー先生の認知症コラム第92回:あるべき姿の認知症ケア
- 認知症専門医による認知症疾患啓発イベントを開催
- ポイントは食生活にあった。認知機能維持に必要なのは・・・
- 認知症予防は40代から!摂ると差が出る栄養素とは。
- 山口先生のコラム「やさしい家族信託」第17回:Q&A 外出自粛で、認知機能の低下が心配。家族信託、遺言、後見、今できることが知りたい
- 認知症とは?