作成中の「認知症疾患診療ガイドライン」から学べること
改訂作業中の案が公開
認知症疾患診療ガイドライン作成委員会では現在、「認知症疾患診療ガイドライン2017(以下、診療ガイドライン)」(案)に対する第2回の意見公募を行っています。
診療ガイドライン(案)は、認知症関連6学会(日本神経学会、日本神経治療学会、日本精神神経学会、日本認知症学会、日本老年医学会、日本老年精神医学会)が協力して作成を進めているものです。
認知症についての治療・診療のガイドラインはこれまでに、2002年に最初のガイドラインが公開され、2010年に「認知症疾患治療ガイドライン 2010」が作成されました。2012年にはあらたな知見を加えて、『「認知症疾患治療ガイドライン 2010」コンパクト版 2012』が発刊されています。
診療ガイドラインでは、2010年のガイドラインと同様に、治療に限定することなく、診断から治療まで認知症疾患の診療全体についてのガイドラインを作成することとしたとのことで、名称が「診療ガイドライン」とあらたまっています。
認知症予防・改善の観点で着目したい情報は
診療ガイドラインが対象とする読者は原則として一般の医師を想定しているものの、医師以外の人にも読まれることも念頭において作成作業を行ったとのことで、比較的やさしい表現で書かれています。
発表されている学術論文を参照しながら、現在の医学的知見が集約されています。
診断、治療についてだけでなく、認知症の予防や改善についても記述があります。
例えば、「糖尿病のコントロールは認知症予防に有効か」について、
メタアナリシスを含む多くの報告で、糖尿病は Alzheimer 型認知症、血管性認知症、混合型認知症の危険因子であり、特に中年期の血糖管理が認知症発症予防に必要である。
(診療ガイドライン(案)より)
との見解を「弱い推奨」として挙げています。学術論文による裏づけ(エビデンス)がまだ弱いためです。
高齢でなく65才未満の中年期であることが着目点です。
一方、「喫煙は認知症を増加させるか」については、
喫煙は血管性認知症、Alzheimer 型認知症などを含めた認知症を増加させる。
(診療ガイドライン(案)より)
との見解が強く推奨されています。
(画像はイメージです)
▼外部リンク
診療ガイドライン2017(案)(PDFファイル)
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