科学技術振興機、光触媒でアルツハイマー病治療の実現に一歩前進

2018年4月4日

脳内のアミロイドβを減少

科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業「金井触媒分子生命プロジェクト」(平成23年8月〜平成29年3月)において、東京大学・金井求教授らの研究グループは、認知症の要因として多数を占めるアルツハイマー病の原因とされる脳内のアミロイドβを減少させる光触媒を開発しました。

アルツハイマー病は増加傾向にあり、認知症の主な要因です。厚生労働省の推計によれば、日本国内の患者数は2025年に466万人、2060年には約600~800万人に達すると予想されています。しかし、認知症は他疾患と比較して、治療満足度や治療に対する薬剤の貢献度が低くなっています。

ウコンの成分、クルクミンを利用

研究グループは、スパイスなどに使われるウコンに含まれるクルクミンという化合物を利用し、クルクミンの構造を基に、近赤外光を照射することにより結合しやすい酸素を効率的に産生し、アミロイドβを酸素化できる独自の光触媒を開発しました。

今後は、引き続きマウスを用いてより具体的な症状改善や経口投与可能な構造への改変など、医薬品としてふさわしいものへと改良を進めるとし、研究グループは、アルツハイマー病治療法へと展開できれば、さまざまな難治性疾患に提供できると展望を語りました。

(文中画像はプレスリリースより)

▼外部リンク
科学技術振興機、脳内のアミロイドβの量を減少させる光触媒を開発~触媒反応によるアルツハイマー病治療の実現に一歩前進~


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