大原薬品、国立がんセンターとの共同研究で新薬開発を目指す

2017年10月4日

DNAの多様性を発現制御するエピジェネティック

国立がん研究センター研究所エピゲノム解析分野と大原薬品工業株式会社は、アルツハイマー病にもみられるエピジェネティック異常の改善を目的とした創薬活動における共同研究を行っています。

エピジェネティックとは、生命現象において遺伝子(DNA)だけに規定されない多様性を生み出す現象をいいます。例えば一卵性の双子は遺伝子においては同じとみなされ、似ているものの、実際には見た目も性格も異なる存在です。そして、このエピジェネティックの異常は、がんや糖尿病、免疫疾患、アルツハイマー病、統合失調症などに見られる現象です。

エピジェネティック発現制御のうち、DNAのメチル化装飾は最も早く発見されたエピジェネティック要因です。通常メチル化はDNAメチル基転移酵素(DNA Methyltransferase:DNMT)により制御されており、がん抑制遺伝子がこのDNAメチル化異常により不活性化されてしまうことが、がんの原因の一つといわれます。

がんだけでなく、アルツハイマー病などへの応用も視野

現在、DNMT阻害剤はがん治療薬として利用されていますが、同じエピジェネティック異常の存在が認められるアルツハイマー病、統合失調症などの疾患にも効果がでる可能性を持っています。

本研究では、利用しやすい経口投与できるDNMT阻害剤の開発が勧められることになります。また、「両者は DNA メチル化異常のがん診断および最適な治療薬・治療法の開発を試み、速やかに臨床応用が可能となるよう継続的な研究に取り組んいく 」としています。

▼外部リンク
大原薬品、国立がんセンターとの共同研究でエピジェネティック異常の改善を目的とした創薬活動


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