世界の認知症患者は2050年までに3倍になると予測
アルツハイマー病協会国際会議(AAIC)2021で発表
米コロラド州デンバー(およびバーチャル)で7月26日から30日まで開催されたアルツハイマー病協会国際会議(AAIC)2021において、ワシントン大学医学部健康指標評価研究所が世界の認知症患者は2050年までに3倍になるとの予測が報告しました。
同研究所の報告によれば、世界的に教育が受けやすくなりつつあることによる認知症患者数の減少がある一方、喫煙、高肥満度指数、高血糖のトレンド予想からは患者数増加が見込まれ、こうした相反する傾向がバランスを取りながら進んでいくと予想されます。
その結果、2050年までに認知症患者数はほぼ3倍の1億5200万人以上になるとの推計が発表されました。特にサハラ以南の東部アフリカ、北アフリカ、中東での患者数が急増するといいます。
彼らの分析では、患者数増加の主要因は人口増加と高齢化だが、これら2つの要因の相対的な重要性は世界の地域によって変わることが示唆されました。さらに、喫煙、高肥満度指数(BMI)、高空腹時血漿ブドウ糖に起因する認知症患者の数を、これらのリスク因子と認知症有病率の間の予想される関係を使い予測したものです。
研究チームは研究結果について次のようにコメントしています。
「こうした推計は、政策立案者や意思決定者が特定の地理的環境下で予想される認知症患者の増加や、その要因をより理解しやすくしてくれるだろう。認知症患者の大幅な増加予想で明確になったのは、認知症の発症を予防または遅延させるための疾患修飾治療と効果的かつ低コストの介入治療の発見に焦点を当てた研究が極めて重要ということだ」。
※アルツハイマー病協会国際会議(The Alzheimer’s Association International Conference: AAIC)は、160カ国以上の参加者と約500件の演壇発表、2,500件以上のポスター発表からなる世界最大級の認知症関連の国際学会です。
研究発表の詳細は下記外部リンクよりご覧下さい。
(画像は公式HP上の動画より)
▼外部リンク
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