認知機能低下はアミロイド斑の形成と神経炎症が関係
2019年5月12日
次世代アルツハイマー病モデルマウスを行動解析
国立研究開発法人 国立長寿研究センター・認知症先進医療開発センターは、理化学研究所脳神経科学研究センター・神経老化制御研究チームとの共同研究により、脳内でのアミロイド斑の形成とそれに伴う神経炎症(グリア細胞の異常活性化)が記憶学習能の低下を引き起こすことを見出しました。
今回の研究から、ヒトAβ(アミロイドβペプチド)が多量に作られ、さらに凝集してアミロイド斑を形成するように “しかけ”をしたマウスの脳では、グリア細胞が異常に活性化され、さらに記憶学習能が低下していました(図上)。一方で、ヒトAβが多量に作られるだけで、アミロイド斑を形成しないマウスの脳では、グリア細胞は活性化せず記憶学習能も正常でした(図下)。
このことから、アルツハイマー病の認知機能障害は、脳内のアミロイド斑と神経炎症が原因となって引き起こされると考えられます。また今回の研究結果から、脳内にAβが多量にあれば必ずアミロイド斑が形成されるわけではなく、脳内でアミロイド斑の形成を促進する因子が存在する可能性も示唆されました。
研究成果は、平成31年3月20日付けで英国科学誌のBMC Neuroscienceに掲載されました。またこれらの研究は、国立長寿医療研究センター研究開発費、文部科学省科研費、大幸財団からの研究助成を受けて行われました。
(文頭画像はイメージ、文中画像は公式サイトより)
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次世代アルツハイマー病モデルマウスの行動解析から、認知機能の低下には、アミロイド斑の形成と神経炎症がかかわることを見出しました
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