東北大、アルツハイマー病の超音波治療、本格治験へ
2019年3月24日
世界初の医師主導治験で安全性示される
東北大学大学院の下川宏明教授、進藤智彦助教、江口久美子医師、東北大学加齢医学研究所の荒井啓行教授らの研究グループは、低出力パルス波超音波がマウスのアルツハイマー型認知症モデルにおいて認知機能低下を抑制する可能性について世界初の医師主導治験を行い、3月11日効果安全評価委員会で本治療の安全性が示されました。今後は、治験の第二段階である有効性の評価を主軸に置いたRCT群の治験が4月から開始される予定です。
下川教授らの研究グループは、以前より虚血性心疾患に対するLIPUS治療の有効性と安全性を動物実験レベルで報告しており、低出力パルス波超音波を全脳に照射すると、認知機能低下が抑制される可能性があることを2種類の認知症モデルマウスにおいて確認しました。アルツハイマー型認知症の動物モデルでは、アミロイドβの蓄積を著明に減少させました。この治療法は、物理刺激を用いた革新的なアプローチであり、薬物では通過しにくい血液脳関門注3の影響を全く受けることがないなどの有利な特徴を有しています。
実際にアルツハイマー型認知症の患者さんを対象に、LIPUS治療の有効性と安全性を評価する世界初の探索的医師主導治験は2018年6月より開始され、今回、治験の第一段階である安全性評価を主軸に置いた5名の患者を対象としたRoll-in群の観察期間が終了し、3月11日に開催された効果安全評価委員会でその安全性が確認されたものです。
(画像はイメージです)
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東北大、アルツハイマー型認知症に対する超音波治療で医師主導治験―安全性を確認し本格治験へ
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